内田繁作品展@銀座奥野ビル

銀座1丁目で開催された「内田繁 棚のデザイン」を見に行く(会期:2014年3月3日〜15日)。

外から眺めても内に入っても、独特の雰囲気の「奥野ビル」に会場のギャラリーが入っている。

建物の詳細について、植田実さんの著書『集合住宅物語』(みすず書房、2004)を読んで調べる。判ったことを以下に引用。
同ビルは昭和17年(1932年)前後の建設で、2棟に分けて建てられ、先ず南側、続いて北側が建てられた。完成当時は「銀座アパートメント(資料によっては「銀座アパート」)」という名称だったらしい。

1999年10月執筆の植田氏のテキストには、内田繁氏が「棚」をテーマにしたインスタレーションをこの「奥野ビル」で開催、建物が気に入った内田氏が今後も年に一度のペースで作品展を開催すると宣言している云々、というくだりが冒頭に出てくる。そのほか、大戦を挟んだ入居者の歴史などに触れつつ、建物の設計者を推測して、同書では終わっている。

さて、企画展会場の「巷房」は、銀座1丁目の「奥野ビル」の地下と3階にある。

銀座1丁目 奥野ビル内「巷房」
http://www5.ocn.ne.jp/~kobo/701.html

私のインテリアエレメントの原点は、やはり棚にあります。本来「棚」とは収納という機能を超えて、何かを飾るためのものでした。銀閣寺東求堂の御書院の二重小棚には、どんな本を置いたらよいかを案じました。これは、見せるための棚です。しかし、それらは機能を超えて、東求堂御書院の室内要素となりました。以来、江戸期には様々な棚がデザインされています。ここに発表されるものは、そうした室内のエレメントとしてデザインされたものです。(内田繁)ー以上、展覧会DM記載のテキスト全文を転載ー

内田デザイン研究所
http://www.uchida-design.jp

上の画像・正面の作品「KOBO」(2014年)は、 本展のDMにビジュアルとして使われている。真正面から撮影されたDM画像の印象では、素材はガラスかと思ったが、木であった。

階段で1階まで下り、新館側の階段でさらに地下の展示室へ。
つきあたりの1室、および階段下も展示スペース。

ビルのエレベーターは乗降者が手で扉を開け閉めするタイプ(以前、一人で乗ってあたふたした)。EV上部の階数表示板もシブい。

元は2棟とわかれば、部外者にはわかりにくい階段配置も納得の「奥野ビル」。外から改めて眺めれば、建物の”境目”も視認できる。



+飲食のメモ。
京橋も含めて界隈には好きな飲食店が点在。中央通りから遠ざかって昭和通りを超えると、リーズナボーで美味しい店が増えてくる。 今回は新規開拓。

「cafe634」(カフェムサシ)は《歌舞伎座》の裏手の路地にひっそりとあった。店のサイトほかに拠れば、界隈で元より有名なカフェらしく、店舗内装を前見文徳氏(前見建築計画代表)が手掛け、昨年12月に再オープンしたという、[japan-architects]さんのブログ掲載記事を読んで以来、行ってみたかった店。

[japan-architects] 2月21日掲載記事
http://world-architects.blogspot.jp/2014/02/fuminori-maemi-cafe634.html


ランチは数種類あり。副菜2点+主菜+スープ、赤飯かベーグルが選べるセットで950円(画像は後日にいただいたランチ「鯖の南蛮漬け+五穀米」)。 ごちそうさまでした。

「cafe634」
http://www.cafe634.net