番組視聴:「高岡銅器」の世界

NHK BSプレミアム番組「イッピン」の再放送、「世界も驚く!変幻自在の色とカタチ~富山 高岡銅器~」を見る。
富山県の伝統技法・高岡銅器を紹介(地元出身の漫画家藤子不二雄が世に送り出したキャラクター『ドラえもん』の銅像が建てられた駅前から番組はスタート)。

駅前商店街の高岡銅器を揃えたセレクトショップの商品数点を紹介した跡、折井宏司氏によるモメンタムファクトリー・Orii を番組レポーターが訪問。工房で実際に糠、米酢、大根などを用いて、孔雀色、青銅色などの色つけ(折井氏いわく「発色」)の技法が映る。

折井氏の作品を初めて目にしたのは、東京ビッグサイトの展示会だったか。その後、東日本橋MATERIO base.での個展を拝見(上のIMGはその時のもの)。糠やおろし大根などを使って焼き付けるのだと聞いてはいたが、その工程を映像で見て、改めて理解するに至る。

続いて、高岡銅器ゆかりの金屋町の名を冠するブランド「KANAYA」の取り組みを紹介。
2年前から出展している国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」での反響や、出す予定の次回作の検討シーンなど。
参考リンク:経産省サイト~KANAYA紹介ページ
www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/nichiyo-densan/kanaya/kanaya.html

そういえば、西新宿のリビングデザインセンターOZONE 7Fで観てきたばかりの、小林幹也氏の作品展示会「MIKIYA KOBAYASHI EXHIBITION-NAGI&KANAYA-」にも、同ブランドの作品が幾つか出展されていた。

最後は高岡銅器による仏具などを製作している(株)能作を訪問、5代目社長の能作克治氏自ら出演。
手で引っ張ったり曲げたりして自由にカタチをきめられる「KAGO スクエア」を紹介。きっかけは、金属食器を作って欲しいという顧客からの声。食品衛生法規定をクリアできる錫(すず)で鋳造したが、やわらかい金属ゆえに案の定、ぐにぐに状態に。ならば曲げて使う器でも良いじゃないかということになり(註/デザイナーの小泉誠氏の意見らしい)誕生した。番組では和室の花器として使われている様子が映ったが、海外のレストランで器として用いられている画も。銅器の型の鋳造には粘土質の土が用いられるが、この曲げられる錫の器の型はシリコン製で、職人の熟練の技をもってしてつくられる。
同社が鋳造した型の保管庫には、手焼きの鯛焼きの型の「型」も。かと思えば、小泉誠氏がデザインした仏具の制作も手掛けるなど、実に幅広い(この仏具と内田繁氏の「デザイン厨子」とがセットになった展示「内田繁 祈りのかたち展」を、昨年6月にギャラリー ル・ベインで見たが、まるであつらえたかのように違和感なくキマっていた)

参考リンク:職人.com ~能作紹介ページ
(克治社長インタビュー併録、小泉誠氏とのエピソード含)
www.shokunin.com/jp/nousaku/

NHK「イッピン」番組サイト
http://www4.nhk.or.jp/ippin/