「GODZILLA」と「ゴジラ」

ゴジラ生誕60周年、ハリウッド版「GODZILLA」本日より国内封切り。公開に先立ち、フィルムの粗を補正した昭和29年(1954)の「ゴジラ」デジタルリマスター版、関連テレビ番組をみた。
歴代のゴジラは、都市のランドマークたる建築・構造物を破壊してまわるのが半ばお約束。敗戦から9年後というタイミングで制作された第1作は、空襲への恐怖、密やかなアンチ水爆(ビキニ環礁水爆実験)、人智と科学の進歩の狭間で揺れる科学者の葛藤などの描写が盛り込まれ、科学文明への警笛を含めた強い反戦メッセージが読み取れる。 そのあたり、米国映画産業はどのように描くのか。
IMGはインシアター・マガジン「月刊シネコンウォーカー 2014年7月号より」

第1作におけるゴジラの日本本土上陸は、東京湾から芝浦に上陸、銀座方面へ。松坂屋銀座店を白い熱線で焼き、銀座尾張町交差点(当時、現銀座4丁目交差点)のシンボル《銀座和光》の時計台の鐘の音が気に障って? 破壊、数寄屋橋を渡って(橋はゴジラの重量を支えきる)、旧日劇ビルと国鉄有楽町駅を破壊、国会議事堂とテレビ棟を破壊。シーンからは割愛されたが上野、浅草を経て、隅田川を南下、最後に勝鬨橋を豪快になぎ倒してから東京湾に引き上げるという、映画公開時の繁華街がどこなのかを示すコースどり(新宿・渋谷には来ない。実写版で巨神兵が西荻窪・阿佐ケ谷周辺を薙ぎ払ったのとは対照的である)。wikipediaによれば、ゴジラのこの横断コースは昭和20年の東京大空襲におけるB-29の爆撃コースらしい。
東京が焦土と化す前の描写で、繁華街のネオンなど平和な都市の情景が連続コマでチラと映り、なんともノスタルジック。新宿アルタ前から新宿三丁目交差点方面を写した1カットなど、現在の姿と比較するとビックリな変貌を遂げていた。

ゴジラ 東宝公式サイト
http://godzilla.jp