報道:減築時代

8月8日(金)WBSオンエア
特集: 世界が注目「減築」とは?
リノベ・コンバージョンに続き、時代は「減築」へ。



◇ 2012年ロンドンオリンピック水泳競技会場《アクアティクスセンター
今年3月に一般も利用できるロンドン市の公共施設《London Aquatics Centre》としてオープン。国外も含め、平均1,800人/1日の利用客数という人気ぶり。設計段階から減築を想定、観客席を1万7,500席から2,500席に、必要な技術スタッフも15名→4名で維持管理できるように考えられていた(設計:ザハ・ハディド)。羽根を広げたような外観が一変、丸みを帯びたデザインに(参考:gallery)。


同施設、4か月前のオープニングの様子 / Youtube動画(BGM付、再生2分10秒)
Opening day at Queen Elizabeth Olympic Park -5 April


そのほか
◇ 岡山県倉敷市 JR倉敷駅ビル
周辺にSCが出来るなどの影響で、利用客が減った駅ビル8階から3階をなくす減築工事中(2013-2015予定)。工業用のダイヤモンドを使った特殊なワイヤーで、減築を前提に建てられた訳ではない建物の既存の柱や梁など構造を切断することが可能に。

◇ 館山寺(かんざんじ)温泉
遠州鉄道が経営する「ホテルウェルシーズン浜名湖」では、5年前に、2棟のうち1棟の13-4階部分を減築、客室数や維持管理費を削減した結果、稼働率は8割をキープ、営業利益も以前より1割アップした。

◇ 浜松市
周辺の市町村と合併し、年間250円の維持費が必要に。公民館などの施設を3割減らす解体・減築計画が進行中。周辺住民は「万が一の時の避難所が無くなるのは不安」と語る人も。

◇ 佐倉市消防署
3階建てから2階建てに減築。建て替えの場合、予算は5億円のところ、1億5,000万円で済んだ。

特集映像の後、コメンテーターが「400億円かけて観客席数9万1,000名という規模で建てた北京五輪のスタジアム(通称:鳥の巣)は現在、たまにジャッキー・チェンのコンサートがあるくらいで殆ど使わないのに年間の維持費が10億円かかっていること、ロンドン アクアティクスセンター》の見学ツアー(英語)に参加した際、説明員が何度も「Regacy(遺産)」という言葉を使っていたこと、つまり「此処で五輪が行なわれたという付加価値をつけて、建物の規模は減らしても、寿命は長く残していくという、ロンドンの事例とを比較、2020年の東京五輪も反面教師にすべきだと述べた。

維持費の問題は、かれこれ四半世紀前のバブル期に建てられた《東京新都庁》や《江戸東京博物館》の現状に限らず、公共建築の維持管理問題は地方自治体でも手痛く経験済み。二の轍は踏むまいて。

WBS特集動画
(注:アーカイブ保存期間を過ぎると削除されます)
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