「未来考古木色」@青山 TDW2014サテライト会場

北青山のシーアイプラザ2F、ifs 未来研究所のコミュニティ&カフェスペースである未来研サロン[WORK WORK SHOP]にて、田根剛氏D.G.T.による「未来考古木色」が25日から始まった。ちなみにこちらのフロアは、昨年の「ANY Tokyo 2013」の展示会場だったところ。
ifs 未来研究所は2013年5月に発足、「少し先の未来」の提案を主眼に、以下7名の研究員が1年半にわたり研究を行なった(運営:伊藤忠ファッションシステムズ株式会社 詳細:同社ニュースリリース2013.5.29)。活動拠点となるコミュニティ&カフェスペースとして、今年7月に未来研サロン[WORK WORK SHOP]がオープンしている。今回の展示「未来考古木色」、およびSOMA DESIGNによる同時開催展「未来日本茶」が、その研究成果を披露する場である。
ifs 未来研究所/Future Laboratory
所長:川島蓉子
研究員:唐川靖弘(経営コンサルタント)、酒井俊彦(プロダクトデザイナー/サカイデザインアソシエイツ)、田根剛(建築家/D.G.T.)、林信行(ジャーナリスト・コンサルタント)、廣川玉枝(クリエイティブディレクター・ファッションデザイナー/SOMA DESIGN)、福井武(ビジュアルクリエイター/SOMA DESIGN)、渡邉康太郎(ディレクター/デザインエンジニア)
公式サイト http://ifs-miraiken.jp
今年1年間の研究テーマは「不便だけど、快適なもの」(参照:デイリープレス発行 本展リリース/PDF。自主研究を続けるうち、石川県の伝統工芸「山中漆器」の地で400年来受け継がれてきた「木器」と、日本古来の「草木染」に出逢い、今回の「日本の木」×「日本の色」という取り合わせによる実験展示となった。
ざっくりと"石川県の伝統工芸"と記したが、上記リンク先のページ「山中漆器の歴史と特色」に拠れば、同県には3つの漆器産地があり、それぞれ「木地の山中」、「塗りの輪島」、「蒔絵の金沢」という特徴がある。
左から「日本の木」、「日本の草木」、「木色」の展示。
一位(イチイ)、栃の木、桜、杉、檜に欅に柚木(チーク)など、よく耳にする木だけれども漢字では知らない(書けない)木のサンプルに添えて、学名と、主な用途や特徴などが記され、読み応えあり。尾久杉に神代杉なんてリッパな木片もあり。
藍、クチナシ(梔子、巵子、支子)、インド茜など、染色の材料。梅が染色に使われるとは知らなかった。
漢字の勉強にもなるが、この辺りになってくると、理科:バケ学の時間。
これ、このまま常設展示してくれないかしら。
藍のバリエーションだけで9種類もあった。
草木染めによって100色に染められた、山中漆器伝統の「木器」。実用を通り越した美しいインスタレーション。
本展制作協力:草木工房(神奈川県川崎市柿生)我戸幹男商店(石川県加賀市山中温泉)
過日に日本建築学会で開催された企画展東京オリンピック2020から東京を考えるで見た、田根剛氏D.G.T.による出展模型の傍らにも似たような冊子が置いてあったが、同事務所によるリサーチ内容などをまとめて綴じた"コンセプトブック"も閲覧できる。
エマニュアル・ムホーさんが、事務所emmanuelle moureaux architecture + designスタッフを連れて来場。上の画は、SOMA DESIGNによる展示「未来日本茶」(画面右側)とあわせて熱心に見学中の様子。
ムホーさんは、お接り絵画館前広場で開催中の「TDW2014」のプロ展に作品「mini」を出展中。

展示「未来日本茶」および「未来考古木色」の会期は11月3日まで。オープンは11-21時(最終日は20時まで)

ifs 未来研サロン facebook
www.facebook.com/ifsmiraikenwws




+飲食のメモ。
シーアイプラザB1Fにある中華の名店「広東名菜 富徳」にて昼食。
嗚呼、周富徳さんの逝去は半年前。
青山通りに面した看板には「土日のランチコース:2,160円」などとあるが、怯えることなかれ。麺類や炒飯の単品ならば1,080円からアリ。
下の画:海鮮生菜炒飯(海鮮レタスチャーハン)はコーンスープが付いて、消費税込み1,080円ナリ。
おいしい。絶対に家庭では出ない味。頬張って味わう幸福よ。
中国茶もポットでいただけて、食後に改めて熱〜い茶をサービスしてくれたのは有り難し。
とっても美味しゅうございました。ごちそうさまでした。

広東名菜 富徳
www.tomitoku.com/