「GINZA SONY PARK PROJECT」展 7月10日まで

銀座5丁目・数寄屋橋交差点に建つ、1966年竣工の《ソニービル》。来年3月31日をもってその幕をおろすことが先ごろ発表された(同社6月13日発表ニュースリリース
竣工50周年と、SONYの70周年を記念したプロジェクト展「GINZA SONY PARK PROJECT」が、同ビル8階のスペース[OPUS]で7月10日まで開催されている。入場無料。

ニュースリリースに拠れば、ビル外観に下げたバナー広告でも宣言している通り、「2018年から2020年の間は、当該スペースを「銀座ソニーパーク」と称するフラットな空間として銀座の街に開放する予定」。
そのイメージ模型も会場に展示されているが、同ビルの成り立ちを示す資料の数々が貴重。芦原義信建築設計事務所の青図、模型などの資料をはじめ、同ビル竣工30周年を機にソニーが発行したパンフレットに寄せられた、芦原氏やソニー創業者の盛田昭夫氏のコメントも確認することができる。
計画当時、西銀座の一等地に家電メーカーの社屋ビルを建てることは、世を憚ることであったらしい。全館をショールームとすることが決まった後、盛田氏はF.ロイド・ライトの《グッゲンハイム美術館》のように来館者が回遊できる「縦の銀ブラ プロムナード」を望み、それを芦原氏が「花びら構造」に基づいた設計で具現化した。
各フロアには逆梁で90センチの段差が設けられ、全25層を緩やかに結ぶ。螺旋階段のようにして1階までぐるぐると降りていくことができる(現在は8-7、7-6階が鉄砲階段に改装されている)
2020年開催の東京オリンピックが終わるまで建てずに、空き地を広場と称する計画は賢明といえるのではなかろうか。
ソニービル》内のソニーショールームおよびソニーストア銀座は今年8月28日にクローズ。ソニーイメージングギャラリー 銀座も9月8日に営業を終了する。銀座4丁目交差点に現在建設中の《GINZA PLACE》の4〜6階に移転し、9月24日オープン予定。

ソニービル
www.sonybuilding.jp/




+後日の記録。
同ビル地下2-3Fには昨年6月30日まで「マキシム・ド・パリ」が営業していた。ランチでも短パン+サンダルは不可などのドレスコードがあったフレンチの名店で食したことはないが、あの豪華な「ナポレオンパイ」が食べられないのは寂しい。
往時のエレガンスは、2フロアを結ぶらせん階段に残り香が。今はコンセプトストア「ザ・パーキング銀座(THE PARK・ING GINZA)」が入居中(階段の撮影とネット掲載許諾済)
階段の設計・デザインは芦原事務所ではなく、マキシム・ド・パリの店舗内装を担当した別会社と思われる。そのあたりは未確認ながら、どこを切り取っても絵になる階段を記録しておく。