内藤廣展 アタマの現場@ギャラ間

TOTO ギャラリー・間で開催中の企画展「内藤廣展 アタマの現場」を見る。
会場は内藤氏の事務所の一部が引っ越してきたかのよう。


この10年間、ひたすら走り続けてきた。わたしの頭は、身の周りで拡大していく領域に追いつくのがやっとで、いまだに整理整頓がついていない。それはひとつの混乱状態ともいえるもので、山積みになった本と処理しきれない書類の束と懸案事項の図面とに囲まれたわたしの仕事場さながらである。ーー展覧会フライヤー表面、内藤廣氏寄稿テキストより引用。


内藤氏は1995年6-7月にも一度、同じ会場で展覧会を行なっている(「素形の構図 還元する場のかたち」)。その際に出展した模型も改めて展示されいるが、今回の展覧会で3F・4Fの会場共にメインに露出しているのは、現在進行形の3つの現場の設計資料である。さらには、内藤廣氏が事務所で実際に使っている机、書棚の再現、内藤氏の著書など、展覧会タイトルと上記フライヤー序文の通り、「いま現在」の素材で構成されている。

TOTO ギャラリー・間 ニュースリリース(2013.11.20発行)
http://www.toto.co.jp/company/press/2013/11/pdf/201311202.pdf



追記:内藤廣氏による展覧会ガイド(2014.3.6公開YouTube動画、再生時間:6分)


3F 第1会場より、2015年竣工予定「静岡県草薙総合運動場体育館」模型。

2010年12月にプロポーザルが公示され、1次審査を通過した10名のなかから内藤廣建築設計事務所が選出された。木造建築として最大級の規模となる見込み。

追記:「静岡県 草薙総合運動場リニューアル事業」について
9月1日より「新体育館」の愛称を公募開始。内藤氏も審査委員の一人を務める
http://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-560/renewal.html



ほぼ忠実に再現された「内藤廣所長机」。
壁面左:古代ローマ時代の公共施設「カンプス・マルティウス」の平面図、その右隣:中川幸夫さんの書「櫻」



中庭の壁一面を埋める、内藤氏の著書から抽出された「言葉のかけら」。

4Fの第2会場は、床にも壁にも模型がびっしり。奥のテーブルでは作品図面が青焼製本やデータで閲覧できる。

中央のテーブル上:2014年竣工予定「安曇野市庁舎」。

2005年竣工《島根県芸術文化センター》模型

下の写真、奥の壁面は全て木の模型。
左から《住居No.14 筑波・黒の家》、《海の博物館》、《島根県芸術文化センター》、《オートポリス・アート ミュージアム》、《十日町情報館》、《安曇野ちひろ美術館》、《牧野富太郎記念館》

テーブル上の模型:奥が2015年竣工予定「九州大学椎木講堂」の模型、手前は最新PJのもの。
2015年竣工予定「九州大学椎木講堂」模型

左:最新「A project」、右:2014年竣工予定「安曇野市庁舎」模型

このほか《旭川駅》、《TORAYA TOKYO》、《渋谷街区東口二階デッキ》(下の画増)の模型など、多数展示。

1月31日(金)には津田ホールで内藤氏の講演会も開催される(要事前申込、応募多数の場合は抽選)。


追記:内藤廣講演会「アタマの現場」「(2014.2.22公開YouTube動画、再生時間:1時間34分)

会期は3月22日まで、日祝・月曜休館。11〜18時(金曜のみ19時まで)、入場無料。