野井成正作品集出版記念作品展 東京巡回

東日本橋の MATERIO base.(マテリオ・ベース)にて開催された野井成正作品集出版記念作品展 vol.3「あそびごころ」を見る。会場にて関連トークも聴考。
野井成正(のい しげまさ)氏は1944年東大阪市生まれ、現在も大阪に事務所を構えて活躍するインテリアデザイナーで、大阪のイタリア料理店「スクニッツオ」や京都の「リスン」など、作品の殆どは関西に在る。



本展の会場となった「 MATERIO base.」は、築ウン十年の5階建ての中古ビルを野井氏がコンバージョンしたもので、 都内で見られる貴重な野井作品のひとつ(他には、 日本橋蛎殻町にあるバー「志村や」と銀座の宝飾店「カフェリング 銀座並木通り店」など)。
会場には MATERIO base. の外観スケッチも展示されている。野井氏による此処での企画展は、オープニング展示となった2011年7月の企画展「外から中中から外」以来。
作品集は1000部限定で今年1月に刊行され(発行所:iTohen PRESS、編集・デザイン:SKKY Inc.)、野井氏のドローイングやスケッチが収録されている。20〜30年ほど前に描かれた、事務所の引っ越しの際に大量に出て来たものだそうだ。会場の1、2Fと階段の壁にも張られているが、野井氏が手掛けた店舗などの建築作品のほか、 趣味で今でも乗っているというオートバイなど。
本展は今年1月に先ず大阪のiTohenのギャラリーで開催され、続いて築100年強の木造家屋をリノベ&コンバージョンした「GLAN FABRIQUE(グランファブリック)」内のギャラリー「ラ・ガルリ(La galerie)」(大阪茨木市)に巡回、4月18日より本会場に巡回した。会期は2014年4月18日から26日まで、入場無料。
飯島直樹氏(飯島直樹デザイン室代表)と野井氏は年齢が20才ほど離れているが、気のおけない間柄のようで、聴講者との距離も近いアットホームな空間で、ビールを飲みながらの対談となった。
冒頭、野井氏のフルネームが縦書きの明朝体で写されたスライドのオープニングの一枚を目にした飯島氏が、ふと「野井さんは明朝体がよく似合う。何だか楠木正成みたいでね」とコメントし、それがあながち外れていなかった。野井さんは1944年生まれ、空襲から避難していた生駒山の防空壕で御母堂が産気づかれ、地元・河内出身の英雄にあやかって名付けられたそうだ(漢字の並びは上下反対)。聴講者の度肝を抜くエピソードで対談はスタート。大阪万博、バブルの頃のエピソード、映画やオートバイまで、お二人の話は尽きなかった。

MATERIO base. (マテリオベース)
http://www.materiobase.jp

野井成正作さんのホームページ
http://www.noi-shigemasa.com