Interior Lifestyle Tokyo@東京ビッグサイト

東京ビッグサイトで開催中の国際消費材見本市「インテリア ライフスタイル(Interior Lifestyle Tokyo)」へ。会期は2014年6月4日(水)、5日(木)、6日(金)の3日間。
1Fアトリウム特別企画「Welcome to my home !」会場では、その年のコンセプトイメージを体現する構成になっている。アトリウム会場を一軒の家に見たてた会場構成のディレクターは、デザインスタジオ Jamo Associates /高橋紀人+神林千夏の二人が担当。



会場内はプレス以外は撮影禁止につき、以下IMGは掲載許諾を得ている画像以外は、出展者配布物から。

アナトリウム会場「tempo」のブース。
mother tool 公式サイト〜ブログ「日々」(2014.6.4)より、許可を得てIMG掲載

群馬県邑楽郡に事務所を構える(有)mother tool が立ち上げた、コンテンポラリーモビールのブランド。昨秋、恵比寿のギャラリーPOSTでの作品披露展示でお目にかかった代表の中村さんに再会。
ブースの会場構成は、同ブランド参加デザイナーである藤本泰司氏、モビール用照明器具を寺田尚樹氏が手掛けたとのこと。


MABATAKI-NOTE は、アーティスト鈴木康広氏と「かみの工作所」を運営する福永紙工(株)が恊働開発したオリジナルプロダクトを提供する新ブランド。パンフレットの表面は「紙の葉/Paper Leaf」をイメージしたエンボス加工。ブランド名を冠する「MABATAKI-NOTE」は、学生時代に一度はお世話になったツバメノート(無罫)をベースに製作されたオリジナルノート。中を開くと・・・?
新作は3点。
上:紙の「表/裏」と「上/下」の関係に着目した「上下のコースター」
下:「パラパラハウス」を6冊収納できる「パラパラハウス ボックス」
上記のほか、2種類のイラストが描かれた「クリアファイル」。4月に発表されているプロダクトと合わせて計6種類に。

鈴木康広氏の作品は、羽田空港国内線ターミナル全域を使って2009年秋に開催されたアートプロジェクト「空気の港」で「大きな空気の人」を見たのが最初。その後、アクシスギャラリーでの企画展「more tree展 森を感じる12日間」や「DESIGN TOUCH」(共に2010年)、「スマートイルミネーション横浜2012」でも作品を拝見。昨夏の「PAPER ー紙と私の新しいかたちー展」(目黒区美術館、2013年)に出展された「キャベツの器」も印象に残る作品。作品を見る度に、驚きと、思わず口元が緩んでしまうユーモアがある。

福永紙工は同じアトリウム会場のテーブルブースに、紙の組み立てキットのプロダクトブランド「gu-pa」も出展。

今回発表された「ヘッドボックス(head box)」は、クマ、ゾウ、シカ、ウサギ、カバの5種類。製品デザインは、ペーパークラフト作家の和田恭侑氏。同氏のTwitterに拠れば、「紙の平面と立体の変化を楽しむということで、手で表すと『パー(平面)』と『グー(立体)』でブランド名が『gu-pa(グーパ)』に」なったとのこと。

高岡銅器作家の折井宏司さんの工房モメンタムファクトリー・Orii による新たな商品シリーズ「tone」。植木鉢カバーや花器、ワインクーラーとしても使えるバケツ、丸・角形のトレイ、ペンダントライトなど。高岡出身で現在は大阪に事務所を構える戸田祐希利氏が運営する「暮らすひと 暮らすところ」がデザインを担当。作品披露は今回で二度目、今秋のIFFTにも出展を予定。

コンサート会場や寺社などにオリジナルスピーカーや音響設備を提供する、プロオーディオブランドの”Taguchi”が一般住宅向けにデザインしたスピーカーシリーズ「SERENDIPITY(セレンディピティ)」。奥深いネーミングである。
上:「BEL」は、積層構造のスピーカーボックスから垂直・真上に発せられた音が、円錐状の反射板にあたり、360度水平方向に広がる構造。

広島のマルニ木工は、マルニ60の新作を披露(※)。ファブリック見本のバリエーションも多数あり。
※IMGは マルニ木工のリリース画像から許可を得て掲載


1Fホール会場~35才以下の若手デザイナーと企業を結ぶプラットフォーム「TALENT」にて、村越淳氏がデザインしたガラスと糸の器「bloom」のフライヤーより。

この近くの
ブースでは、中川政七商店が中心となった「大日本市」や、石巻工房も出展していた(石巻工房のブースの様子は公式FBの情報が詳しい)

高岡の仏壇・仏具の製作と卸を行なっている(株)本保が立ち上げた「仏具のデザイン研究所」のパンフレットより、トラフ建築設計事務所がデザインした「小さな仏壇」。掲載は本体:ウォルナットと金属部:シルバー(真鍮)の組み合わせ。ほかブナとゴールド(同)のタイプもあり。どちらも開閉扉付きの仏壇は存在しない。ウレタン塗装の木質プレートに、花立、灯立、茶湯器、香炉、位牌、仏器、りん及びりん棒、線香立を自由に配置するスタイル。これら7つの仏具本体はそれぞれH寸法が違うだけで、底辺部は6センチ角で統一されている。器を取り外して積んでいくと、四角形にすっきりと収まる(おおお、凄い)。戒名刻印込で14万円で販売予定。
上記のほか、KAICHI DESIGN/山田佳一朗氏、Caro inc.の山口英文氏がデザインした、磁器、オプティカルガラス、鋳鉄、真鍮を用いた仏具もあり。 同研究所では、 編集者やライター、アートディレクターも参画し、 現代のライフスタイルにあわせた祈りの空間とカタチを時間をかけて提案していく予定。


同じく高岡銅器の(株)能作は、箸置きや花器など30点を越える新作アイテムを発表。先だってテレビ番組で紹介されていた花器「KAGO」を実際に手で曲げてみたり、苔盆栽「はりねずみ」の親子に目が釘付けになったり。ブースのデザインは小泉誠氏が担当。

紙がヨレヨレになってしまいました。
西4ホール~ディズニーのキャタクターを用いた各種プロダクトが終結した「Disney Lifestyle Collection」では、カリモクとによるテーブルコレクション「Winnie the pooh」が初披露された。ディズニーの人気キャラクター「くまのプーさん」に登場するキャラクターが持つイメージを、nendoを率いる佐藤オオキ氏が再構築して、サイドテーブルなど6アイテムをデザインした。欧州ブナ材の本体とセットになったカラフルなニットが、柔らかい雰囲気を出している。 販売価格は税別で27,000~61,000円の間。

合同ブース内には、寺田尚樹氏がデザインした、アイスクリームを愛する人・必携の専用スプーン「15.0%」のシリーズに、キャラクターが刻印された「くまのプーさんバージョン」も。

寺田尚樹さんの「15.0%」は、高田製作所/タカタレムノスのブース(西3ホール)にて、7作めとなるスリムなフォルムの「パフェ」を発表。

カラフルなパイプをジョイントして、様々なかたちに組み立てられる知的玩具「pipegram(パイプグラム)」。 東京都内のものづくり中小企業とデザイナーとが恊働することを目的に開催された、2013年度「東京ビジネスデザインアワード」において、最優秀賞に選出されたプロダクト。手掛けたのは、自動車部品などのパイプ曲げ加工や板金加工を行なっている青梅の武州工業(株)と、リュウコゼキデザインスタジオ(RKDS)の小関隆一氏。公式サイト、パンフレット、キットのパッケージも小関氏がトータルデザインしている。
立体モデルのひとつを手に持ってみると、驚くほど軽く、ふんわりとしていて、全体的には弾力がある。パイプは赤、青、黄、緑の4色、ジョイントは黒と白の2色を展開。

東京ビジネスデザインアワード」の公式FBに拠れば、アナトリウム展示(ラ・ルース×山田佳一朗「ひきよせ」)や、マスキングの太洋塗料のブース(小関隆一氏とのコラボ商品、塗った後から”はがせる”水性塗料「Masking Color」)なども出展していたらしい。まんまと見逃す。

2013年度のアワードの入賞作品については、デザイン雑誌『AXIS』のサイト「jiku」の記事が詳しい。
http://www.axisjiku.com/jp/東京ビジネスデザインアワード/

西3ホールの一角で、ストイックなインスタレーションが目をひき、ブースに足を踏み入れると、木の香りが鼻腔に充満。(株)日本香道の線香やお香、アロマオイルなどを取り扱う(株)大香の出展ブース。

今年1月から4月にかけて、イギリスのロイヤル・アカデミー(王立芸術院)で開催された企画展「Sensing Spaces」に出展された、隈研吾氏のインスタレーション「pavilion of incense」を部分的に再現したもの(ブースの画像は大香FBを参照)。アルヴァロ・シザや隈氏など6人の建築家が参加した同展は、タイトルが示す通り、来場者の五感を刺激させる体験式。「嗅覚」をテーマに据えた隈氏がデザインした竹の構造物に、ヒノキとタタミの香りを付加するパートを受け持った。
同展では、会場での体験を”お持ち帰り”できるよう、50個限定の「リードディフューザー」も用意され、松の枝のようなパーツにコケを加えた3種類の香りほかを1箱にまとめ、隈氏のサイン入り、日本円にして約4万円で販売。高価をものともせず、現地のミュージアムショップでは好評だったとのこと。

同展会場の参考リンク:
designboom.com report(2014.2.16)
www.designboom.com/architecture/kengo-kuma-and-alvaro-siza-present-installations-at-sensing-spaces-02-15-2014/
>dezeen.com report(2014.1.21)
www.dezeen.com/2014/01/21/sensing-spaces-exhibition-royal-academy/

生活に潤いを与える音色・響きのような新たな機能をもつプロダクトを生み出そうと、 大阪のアイワ金属(株)が立ち上げ、昨秋のIFFTでブランドデビューした「Timbre」は、鈴木康広氏をがデザインした”音を楽しむけん玉”「音の器」をはじめ新作3点を発表。音譜のオタマジャクシを模したけん玉は、東京のけん玉職人の手による力作。このほか小林氏がデザインしたガラス製Wind Chime「Bellflower」や、柔らかいポリエステル製ケースにイヤホンのコードを巻き付けて収納する「Turn」なども展示(各商品とも発売時期および価格は未定)。「どんどん金属から離れてしまって」と云いつつも、天野社長は新しいアイデアを楽しんでいるふう。

秋田の進藤電気設計のオリジナルプロダクトブランド「twodo(トゥードゥー)」は、常夜灯「CALM」と、手で触れて調光が可能な間接照明「jiwari-moonlight」などの新シリーズを出展。
参考(会場の様子):同社公式FB
www.facebook.com/ShindoDenkiSekkei


ダイワハウスラクダ工業(株)は、amanada(旧リアル・フリート)とのコラボで誕生したシステムユニットを発表(同社ニュースリリースPDF 2014.6.4発表)。

事前にプレスリリース、オープン後に随時情報がアップする公式FBtwitterで予習を怠ると、当然ながら見落としが発生。後悔。

関連ニュース:
インテリアビジネスニュース(2014.6.4)
http://online.ibnewsnet.com/news/file_n/gy2014/gy140604-02.html

http://wbslog.seesaa.net/article/398766594.html




+飲食のメモ。
会場1Fホール1には、アンデルセン出資のカフェが、アトリウム会場の一角(マルニ木工ブースの前)にもカフェが設けられていたが、閉場時間が迫り立ち寄る時間もなく。

東京ビッグサイトでの展示会に引っ掛けてのランチは、新橋駅前ビル1号館2Fの稲庭うどん「七蔵」が個人の定番。
この店の特製ごまだれスープには蕗の薹が入っていて、ヨソでは味わえぬ。個人的味覚のツボど真ん中。汁だけ売って欲しいくらい。販売可のニンニク風味の白菜漬けもおいしい。
ランチは海鮮モノの丼がセットで付く。麺の量次第だが、だいたい1000円前後。昼どきはサラリーマンを中心に大行列ができるが、席数が多く、混雑時は相席となるので、回転率は早い。ハヤメシが苦手な者にはちょっとツラい。

他にも安くておいしい店が多そうだが未開拓、あなどれない、サラリーマンの昼のオアシス・新橋駅前ビル。

七蔵(ななくら)
www.nanakura.co.jp