「建築家ピエール・シャローとガラスの家」展@汐留


ピエール・シャロー(1883-1950)が活躍したのは、第一次大戦出征からパリに戻った後の、1920-30年代が中心。現存する《ガラスの家》も含め、家具や照明器具、スケッチや図面、1925年に開催された通称アール・デコ博(パリ現代産業装飾芸術博覧会)の資料など、ポンピドゥー・センター所蔵のコレクションを通じて、シャローとは何者であったのかを追いかける。

タイトルに「建築家」と冠してはいるが、1900年にパリ国立美術学校建築学科の入試に失敗したP.シャローは、先ずは家具デザイナーとしてスタートしている。その後も建築家としての公の資格を持たぬまま、店舗やヴィラ、博覧会の会場構成なども手掛け、そして旧知のダルザス夫妻が購入したアパルトマンの3階部分を除いてリノベーションした《ガラスの家》で、当時の建築業界をアッと云わせた。資格を持たぬ故に、世界恐慌のあおりを受け、1941年に渡米、9年後にN.Y.で没する(参照元:会場内解説文と年表、出品リスト)

《ガラスの家》について知ったのは、松村秀一先生が登壇した「技術と歴史研究会」の初回レクチャー(2004年1月)を聴講したのが最初(「10+1 No.38」DATEBASE)。今は米国人の所有となった《ガラスの家》の、1931-32年の竣工前後のモノクロ写真と、その約60年後のカラー写真の両方のスライドを、各階平面図と照らし合わせながら、見られる日が来ようとは。

会場の外には、P社の大型モニターがあり、BS-TBSのミニ番組「ONExTIME 建築の記憶」で今年7月に放映した「#124 ガラスの家 ラ・メゾン・ド・ヴェール」の映像と、再編集版を見ることが出来る(所要約9分)。これを先に鑑賞してから中の展示を見て、会場を出てからさらにおさらいすると、あっという間に2時間近くが経過していた。
会場構成はフランス出身、みかんぐみのマニュエル・ タルディッツ氏が担当。家具やデスクが置かれた黒い什器は、会場のスタート地点から出口付近の第2会場まで、おそらくは来場者への動線も兼ねて、太く低く、曲がりくねりながらフロアを貫く。外階段の踊り場のような、パッと見はスチールに見えたが、触れてみると木製で、エクステリアなどで用いられる、小さな円形のノンスリップ模様付きの、黒いゴム・シートが表面の仕上げと思われる。

会場および館内は撮影禁止。展示のビジュアルは下記サイトの記事がとても参考になる。
インターネット・ミュージアム取材レポート(2014.7.25)
http://www.museum.or.jp/modules/topics/?action=view&id=510


会期は10月13日まで、水曜休館。開館時間は10-18時(入館は閉場の30分前まで)。一般の入館料は800円、ほか料金設定あり。詳細は公式サイトを参照。
1枚めの画像の左下に映っているが、港区在勤・在学・在住者は、10月10日(金)18-20時(入館は19:30まで)のナイトミュージアム開催時間に限り、証明書類要提示で入館無料になる、と書かれているのだが、同館サイトにも、WEB検索をかけても情報がヒットしない。詳細不明。





+飲食のメモ。
汐留に来たら、新橋駅から続く地下道と、パナ・ミュージアムとのちょうど中間/汐留シティセンターB2Fにある「Bubby's(バビーズ)汐留店」は外せない。
フライドチキンサンドウィッチ(画はバーガーのバンズだが、MENU表示はサンドウィッチ、ようわからぬ)。サラダかコールスローかフライドポテトかポテトチップから選べる付け合わせが付いて、ランチ時は単品で1,300円、ドリンクセットで1500円ナリ。
この店に来ると、常備のイエローマスタードを山ほどかけてしまう(年間消費量の7割はたぶんバビーズ)。ミルクがピッチャーで付いてきて、マグも大きいコーヒーのおかわりまで出来るのもうれしい。
おいしゅうございました。ごちそうさまでした。

Bubby's 汐留店
http://www.bubbys.jp/menu_shiodome.html