吉岡徳仁「SPARKLE LOUNGE」@ DESIGN TOUCH 2014

東京ミッドタウンで17日から始まったデザインイベント「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」。注目コンテンツのひとつ、 ガレリアB1F アトリウムで開催中の「Salone in Roppongi 2014」は、息を呑む美しさだった。
Salone in Roppongi」とは、毎年4月に行なわれる世界最大級の国際家具見本市「ミラノサローネ」で活躍する、日本のデザイナーや企業を紹介するもの (第1回めとなる昨年は、nendo、WOWの作品や、レクサスなど企業各社の取り組みを紹介)。 今年のフューチャリング・アーティストは吉岡徳仁氏。


会場を構成するのは、2013年の「ミラノ・サローネ」において、吉岡氏が「Kartell」から発表した「SPARKLE(スパークル)」のコレクションから、"crystal"のスツールとサイドテーブル。
ラインが細くて高さがある方がスツール、低い方がサイドテーブル(参考:Kartell カルテルフラッグシップショップ。今春のサローネでは新たに4色が加わっている。

参考:Web Magazine「OPENERS
2013年4月10日の記事
http://openers.jp/interior_exterior/ispecial/news_sparkle_20130409.html
2014年4月9日の記事
http://openers.jp/interior_exterior/ispecial/news_tokujin_44358.html

Kartell」はイタリア最大のプラスチック家具ブランド。1949年創業、最初のプロダクトは(プラスチックではない)車の上に積むスキーキャリア。フィリップ・スタルクがデザインした「ラ・マリー」や、ロン・アラッド、パトリシア・ウルキオラ、マルセル・ワンダーズらとコラボレーションしたプロダクトを世に送り出している。吉岡氏とは2008年に「AMI AMI」、2010年に「The Invisibles」のシリーズを発表。
吉岡氏の美意識と高い技術力の結晶。まさに"クリスタルガラスのような輝き"を放つ。一見して素材がアクリルとはわからない。ちなみに中は空洞で、製品の座面は着脱できる。
会場には約80個の「SPARKLE」が配置され、実際に触れて座れるラウンジ形式のインスタレーションとなっている。
1Fからの会場見下ろし(取材を受けて撮影中の吉岡徳仁氏)
お気づきの方もいるだろう。会場背面は通常、ガラスウォール越しに、人や車の往来や、その先に広がる芝生広場、フロリアン・クラールの立体作品まで見通せる。ガラスがスモーク仕様に変わったわけではなく、設営も大詰めの段階で急遽、トレーシング・ペーパーを貼って仕上げられたもの。展示初日に限った特別仕様だったが、この"薄い紙1枚"の有無は大きい。吉岡氏ならびに作品の世界観が見事に保たれていた。北側の安定した光源もその一翼を担っているだろう。
プレス対応で吉岡氏が滞在した時間帯(11-12時)は、水をうったような静寂さで、本展のためのサウンドがゆったりと流れていた会場も、5時間後の夕方には大勢の人が訪れ、吉岡徳仁作品「SPARKLE」にめいめい腰を下ろし、大型商業施設らしい盛況に。

会場の一角では、「Pane Chair」(2003-2006)の成形過程が見られる映像なども流れている。
「SPARKLE LOUNGE」の会期は10月26日まで(「DESIGN TOUCH 2014」より早く終了するので注意)。入場無料。オープンは東京ミッドタウンの開館時間に準ずる。

「Salone in Roppongi 2014」
www.tokyo-midtown.com/jp/designtouch/2014/event/event005.html

吉岡徳仁 / TOKUJIN YOSHIOKA INC.公式ウェブサイト
http://www.tokujin.com

なお、会期最終日の26日に別会場で開催される「DESIGN TOUCH CONFERENCE」にて、吉岡氏が登壇する特別講義「ミラノサローネに広がる日本デザイン」が13:30から予定されている(無料、要事前登録)。詳細は「DESIGN TOUCH 2014」公式サイトを参照のこと。


関連イベント情報:
上記・特別講義に吉岡氏と共に登壇する田根 剛氏(DGT.)が手掛けた、今春ミラノサローネに初出展したシチズンのインスタレーション「LIGHT is TIME」の凱旋展が、11月14日から24日までの会期で、南青山のスパイラルガーデン(スパイラル1F)で開催される。

シチズン ニュースリリース(2014.10.17)
http://citizen.jp/topics/2014/20141017.html
スパイラル>イベントスケジュール
http://www.spiral.co.jp/e_schedule/detail_1256.html


以上、テキストはプレス内覧会配布資料を主な参照元とした(内容と掲載については吉岡徳仁デザイン事務所確認済み)。