番組視聴:クローズアップ現代「"産業観光"で町はよみがえるか」

11月4日(火)NHK「クローズアップ現代」オンエア
ものづくり“産業”を観光に わが町はよみがえるか

番組に拠れば、経産省認定の近代化産業遺産は、全都道府県に1,115箇所もあるという。これら歴史的な産業施設やもの造の現場を観光資源として活用する「産業観光」に注目が集まっている。神戸/酒造り、富岡/製糸場、長崎/軍艦島(端島)での様子がオープニング映像で流れ、番組では主に桐生市、小坂町、四日市市における町ぐるみの取り組みが紹介された。地域再生の切り札となるか? その可能性と問題点に迫る。解説者として後藤治工学院大学教授がスタジオ出演。

「産業観光」は既存の産業や旧施設を活用するので、例えばテーマーパークなどを新たに作る予算が要らない。一方で、同時に産業が地域に齎した公害など"負の歴史"とも向き合う必要も。

◇ 群馬県桐生市
揃って北に採光窓をとった「ノコギリ屋根」が数多く遺る織物の町。約20年前から着物需要が激減、最盛期の半分以下に。大正期に建てられた赤煉瓦の旧工場を「ベーカリーカフェ レンガ」としてコンバージョンしたところ、大当たり。その後、旧工場を再利用した豆腐料理店(とうふと京風ゆば料理「若宮」)、美容室アッシュ、アトリエなども次々誕生(参考:桐生市公式サイト:市内ノコギリ屋根工場情報、現在では年間350万人強が訪れている。観光で訪れた若い人の意見が製糸開発などにも繋がり、新たなブランド創出も。産業活性化にも役立っている例。

◇ 秋田県小坂町
人口5,700人ながら、最盛期には年間11万人が訪れた、産業観光のパイオニア。日本一の銅鉱山だったことを物語り、国の重要文化財にも指定されている、日本最大級の木造の洋館《小坂鉱山事務所》と鉱山労働者のための福利厚生施設だった芝居小屋《康楽館》などが修学旅行生コースとしても定着した(2つの建物はBS朝日「建物遺産~重要文化財を訪ねて~」でも10月にオンエアあり)
だが、ここ数年は観光客が減少気味。役場では、新たな掘り起こしとして、世界トップクラスの技術を誇る地元の金属リサイクル企業に着目、見学コースに組み入れられるかどうか、安全・保守面などを検証中。

◇ 三重県四日市市
昨今ブームとなっている工場夜景クルーズが乗客1万人を突破した四日市。高度経済成長期に公害病「四日市ぜんそく」が発生した町でもある。その史実にフタはせず、市では市立博物館を改修した資料館(仮称 四日市公害と環境未来館)を来年3月末にオープン予定。

NHK「クローズアップ現代」
No.3575アーカイブ:「ものづくり“産業”を観光に わが町はよみがえるか」
www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3575.html