報道:今週のWBS視聴メモ

11月25日(火)WBSオンエア
特集:米国西部の"コンパクトシティ"・ポートランドの街づくり

いま最も米国で最も住みやすい街といわれ、先進的な"コンパクトシティ"とされる、オレゴン州ポートランド市を紹介。マガジンハウス社の雑誌『ポパイ』(2014年7月号No.807:左の画)でも特集が組まれるほどの注目の街とのこと。

暮らしやすさから、毎年2万人以上が移り住む人気の街ポートランド。 中心部には路面電車が整備されている一方で、自転車による通勤者が全米で最も多い街でもある。道路には自転車専用レーンが整備され、パーキング、専用標識や信号機も整備されている。バスのフロントには自転車を搭載することも可能。
カギとなるのは、無秩序な都市開発を防ぐ目的で1979年に制定された"都市成長境界線"。境界線の外では農地や豊かな緑が守られ、結果的に、最小限の範囲での交通網整備を後押しした。境界線は、内部の人口増加や経済成長見込みによって毎年見直しがある。
驚くべきは、市民60万人のポートランドの議員数がたったの4人であること(同規模の八王子市は40人)。「町づくりを担うのは市民」という(番組コメンテーターの梅澤高明氏/A.T.カーニー日本法人会長曰く、「60年代のヒッピーコミュニティ文化を継承する、リベラルで、自治意識の高い街」ならではの)考え方が定着し、市民の参政意識も極めて高い。高速道路だった川辺を桜並木の続く公園に変えたり、古い建物を保存するかどうかの判断も市民に委ねられる。4人の議員は市政の"まとめ役"に徹している。
日本から今年だけで30組以上が視察、市側も「街づくりのノウハウ」の輸出に積極的。国内第1号は千葉県柏市(註.
柏の葉スマートシティか? 参考:スマートシティPJ公式サイト〜2014.1.23リリース

番組ニュース動画(アーカイブ保存期間のみリンク有効)
www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/feature/post_79488

番組の取材に対し、ポートランド市の開発局担当者は「日本の行政には、規則は守るもので変えられるという意識が欠けている」と指摘。梅澤氏もさらに曰く、ポートランドはクラフトマンシップを尊重する土地柄で知られ、クリエイターが多く集まり住み、"クリエイティブシティ"としての顔も有する。サステナビリティ、地産地消意識の高い街でもあるとのこと。行政と住民が数十年かけて積み上げてきた実績であり、日本に持ち込む場合は単に仕組みだけを真似してもムリ。住民の意識をいかに高めていくかが重要であるとコメントした。



11月27日(木)WBSオンエア
特集:日本発“未来の街”の可能性
パナソニック主導で開発された、藤沢市のスマートシティ「Fujisawa サステナブルスマートタウン(フジサワSST)」がグランドオープン。6万平米(東京ドーム4個分)の敷地に1,000戸を2018年までに建設予定。販売価格は5,000-6,000万円代。
マスコミ向け発表会の席上、同社は「3世代が100年にわたって生き続ける、サステナブルな街づくりを主導してやっていく」と発表。神奈川県知事も「世界に発信できるモデルづくり」を支援する意向を表明した。注目度は高く、海外メディアも多数出席。
街の外周部には414枚の太陽光パネル、内部にも太陽光パネル付き街灯を設置、災害発生時に対応可能。また街の内部には最新の防犯カメラも47台設置されている。最大の特徴は、各戸の屋根に設置された太陽光パネル。番組ではオンエア前日にSST内のK家を取材、電気を"自産自消"する、SSTならではの生活の一端を伝えた。
世界各国で開発計画が進むスマートシティ。数も規模も群を抜くのが中国だ。番組では、中国とシンガポール共同で2008年より建設が始まっている、面積30平方キロ(東京ドーム640個分)の「中新天津生態城」を取材、現状を伝えた。現在の住民数は2万人、将来は35万人の大都市になる見込み。
番組コメンテーターの梅澤氏は、「スマートシティを冠すると不動産価値を上げやすい」と利点を指摘。先日放送された「ポートランド」を例に挙げながら、「その上にどんな街を作っていくのか、中身を充実させることが大事」とコメントした。

番組ニュース動画(アーカイブ保存期間のみリンク有効)
www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/newsl/post_79671/


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