《箱の家152》オープンハウス

神奈川県横浜市で開催された、難波和彦+界工作舎による《箱の家152》オープンハウスを見学(先週土曜日)
以下、リリースより案内文を転載。

「一室空間が分化した箱の家です。斜面の五叉路に面した変形敷地に建つ、里程標のような佇まいを見てください。」

下の画は南面の建物外観。このように、左右を道路に挟まれた三角形の土地で、かつ以下の写真でも確認できるような傾斜がついている。敷地面積は約35坪。北側に建つ平屋の庭だった土地が切り売りされ、30代の施主夫妻が購入した。
施主は最初から、家の温熱環境についてきちんと考えて設計してくれる事務所を探し、箱の家シリーズで知られる界工作舎に白羽の矢がたった。
家を建てる前は雑木が生い茂り、地域住民の目を安らげてきたであろう緑を切るのは心苦しかったが、やむなく伐採。大谷石による既存の擁壁も再利用の強度がなく、RC造で作り直した(県の都市再生法に基づく開発行為に該当した)
西南側外観。東西・横方向だけでなく、南北・縦方向にも傾斜がある土地。北側に駐車場を確保。駐車場を1層とカウントしているため、法律上は3階建ての木造住宅。
北側斜線を受けて傾斜のついた屋根の上に、屋根とは逆行するような小さな三角形がみえる。北側の採光窓かと思ったら、のみならず。「夏季の通風用窓で、屋根の上空を通る風を遮り、乱流を生じさせて、室内の空気を抽き出す仕掛けです」とのこと。
2つ並んだ扉のうち、庇が付いている方は倉庫。右のスライドドアはテラスに繋がっている。
東側からの外観。玄関と庇は角度を振って内側に取り込んだ。
1F玄関付近から、リビング越しに、外の眺め。リビングの定常には後日、phランプが3連吊り下げられる予定。
1Fリビングから、2Fへ続く階段側の眺め。階段下は収納スペースとトイレ空間。画面・右手奥は洗面+バスルームへと続く。
階段の途中から、2F居室の眺め。手前から、左右対称形の子供部屋が2つ。奥は夫妻の寝室。外部からの目隠しおよび遮光として、白いロールカーテンが2つ付いた仕切り窓が設えてある。まだ小さい子供たちが窓を不用意に開け閉めして指など挟まないよう、高い位置に特注のストッパーも付いている。
垂木を兼ねたLVL(Laminated Veneer Lumber)の小梁の向こう、前述・屋根窓の眺め。
天井付近の仕上げについて、改めて先生に教わる。「小梁のピッチは450、その上に直接、構造用合板を打ち付け、そのまま天井仕上げとしています。さらにその上に断熱パネルを敷き込み、通気層を確保したうえで、野地板を張り、ガルバリウム鋼板の屋根防水としています」とのこと。
2F寝室。奥はクローゼット。 2F各室の天井高は北側斜線の制限をうけており、規定ギリギリ。
子ども部屋。窓の外に、隣家の緑が見え、借景となっている。
子ども部屋から、南側の見返り。シェルフの下も、風の通り道として隙間を設けている。足下を照らす効果も。
2Fから1F見下ろし、軒下の眺め。
階段上から、1Fのキッチン方向見下ろし。間仕切りを挟んで、左側が洗面+バスルーム。
洗面+バスルーム。
階段下のトイレ。
キッチン、玄関からの眺め。北側のカウンター壁は、優しい淡い色のモザイクタイル仕上げ。
玄関は広くとられている。北側のコーナーはパントリーとしても利用。
内覧会は終日、近所の人々の訪れが止むことなく、盛況。施工した瀬戸建設(株)が竣工のおしらせを出した効果も相乗した。
地域の新しいランドマーク、里程標となった、152番めの《箱の家》である。

界工作舎
www.kai-workshop.com/