「日経メッセ 街づくり・店づくり総合展」@ビッグサイト

東京ビッグサイトで3月3日から6日まで開催された「日経メッセ 街づくり・店づくり総合展 2015」を見学。そのうちJAPAN SHOP建築・建材展ライティング・フェアの3会場を駆け足で見て回る。プレス以外は場内撮影禁止。画像は全て出展者および関係者了承のもと、撮影および掲載。
JAPAN SHOPで目をひいたのはアイカ工業。東ホールに到着して最初にくぐる確率の高い、ゲートからよく見える好位置に大きなブースを構える。「革新、あたらしいワクワクを。」をテーマに掲げ、昨年のJAPAN SHOPで発表した、デザイナーズ・ラミネート化粧板「+WONDER(プラスワンダー)」に新柄を追加して華やかに発表(4月発売予定)

昨年5月の発売以来、作り手の予想を超えたところでも使われているという「+WONDER」。商空間でのディプレイや什器だけでなく、例えば、病院のエレベーターまわりでわかりやすいビジュアリティなフロアサインとして大きく貼られたり、従来の化粧板イメージを打ち破るデザインが高く評価されているとのこと。
新作では、数枚セットにして大きな壁面に貼れる、イタリアから輸入した大理石を厳密なモチーフとして出力した、本物さながらの色合いと迫力をもつ「コンビネーションシリーズ」も加わった。
昨年の標準柄43種(参考:同社リリース 2014.3.31)に続き、新しい42柄のデザインを手掛けたのはLIGHT CUBEのお二人。代表の木村順也氏に会場で話をうかがったところ、メインビジュアルのひとつに使われている華やかな「DIVA」の柄は、前述の大理石仕様と同様に、本物の生花を敷き詰めて、俯瞰撮影したデータをベースにしたもの。本物にこだわって生み出された。

その向かい、SUSのブース。
押出成形によるアルミ製の構造物は、壁材、什器、階段など様々な場面で使われている。クリスマスシーズンに恵比寿ガーデンプレイスに展示されるバカラシャンデリアを囲むケースも、SUSのラチスパネルによるもの。昨年は森田恭通氏によるシャンデリアデザインと会場構成のもと、コーナー部以外を黒く塗装した特製ラチスパネルでケースが組まれた。同社が発行するPR誌『ecoms』や同社リリースによれば、高さ12.2m、幅約6.2m角のケースは3日で建て込みが完了する。
同社が「住むためのアルミ・プロダクト」と位置づける「t2(ティーツー 註.2は二乗記号)」は、単体と連結のどちらも可能な住居ユニット。静岡事業所には12個のユニットによる実験棟も建設され、社員が居住しながらの室内環境データの収集と検証が行なわれている。
「Yテーブル」の上に置かれたディスプレイ。全て既製のパーツをカットしたもの。

JAPAN SHOP会場ではこのほか、空間デザイン機構の4団体:DSA、NDF、JCD、SDA 共同出展の企画展示「空間デザイン4団体の『アワード』と『今』」で昨年注目を集めた空間デザインを確認。MK Design Meshのデザインメッシュ、トッパン・コスモの不燃化粧板、毎回すごい造形物を積層ダンボールでつくる日本セキソー荒川技研工業のLEDと組み合わせたコンセプト展示、エー・ジー・クルー、日本の伝統美を壁紙で再現したシリーズを発表したサンゲツ、グループではなく単独出展のTOTOなど各社ブースを駆け足で見学。商店建築社売店では創業60周年記念ポストカードセット(下の画・中央)をY編集長御手ずからいただき、隣接する建築・建材展へと移動。
この種の商材展示会では、資料をトートバックでくれることが多くなった。アイカ工業は「+WONDER」の新柄のひとつNOCTURNE/Passionをプリントしたデザイン(帰宅したら家人に「何処で買ったのか?」と訊かれ、ニンマリ)。SUSの黒バックには風呂敷まで入っていて恐縮。そういえば、昔は建築模型を風呂敷に包んで運んだのだとか。

建築・建材展では、ハイアス・アンド・カンパニー+司コーポレーションによる「タイト・モールド工法」の実演説明を見学。ほか、船舶照明のようなランプや真鍮トイレタリーや金具などを扱うゴーリキアイランド/G.BOAT、ネオ漆喰のゲーテハウス、静岡から出展のオンザウォールのブースを超・駆け足で見てまわる。

東から西へ、ライティング・フェアへ。12:15からの山下裕子氏(Y2 LIGHTING DESIGN)によるツアーガイドに間に合わず、イヤホン無しではとても聞き取れず、ブース見学に戻る。
CURIOSITY出身のデザイナーがデザインした遠藤照明のブースで「アパレルホワイト」の教授を受けた後、向かいのYAMAGIWAのブースへ。英国人デザイナーのロス・ラブグローブ氏がデザインした「systemX LED」に、従来のversionLを縮小したMと、新しいデザインのSが追加された。
同シリーズは染色体をイメージして有機的にデザインされ、LとMがエックス、Sはワイの字がモチーフ。
下の画、ブース内天井に吊られているのが「systemX LED version S」。
複数によるシャンデリア、3灯を繋いだペンダント、4灯1組の壁付けタイプ、ジャックインタイプとバリエーションも豊富(ジャックイン式のみ近日発売予定、ほかはフェア開始の3日から受注開始)
参考:同社リリースPDF(2015.3.3)
上の画はカネカのブース。有機EL照明を使った4種類の照明デザインを、YAMAGIWAのデザイナーが担当した参考商品。

YAMAGIWAと隣り合わせのエイテックスのブースは、橋本夕紀夫デザイン事務所による会場構成。
ヨコ方向にフレシキブルに曲げられる「シリコンライト」の特長をズバリ、表現した展示。フロア中央・最大で10mが露出し、アーチを構成。同製品は橋本氏がデザインした店舗やクリニックでも使われ、カタログにも掲載されている。
壁一直線の光は、壁を溝を付けてLED器具を取り付けているのではなく、平たいテーブタイプのもの。
西ホール・LIGHTING STAGE「コレカライト」スタジオのトークショー最終回、武石正宣氏ICE都市環境照明研究所と東海林弘靖氏ライトデザインのお二人による対談「あのオールドシネマで見た!? 未来のあかりとコレカラ」を聴講し、今年の見学を終了。

「日経メッセ 街づくり・店づくり総合展 2015」2015.3.3-6
https://messe.nikkei.co.jp/




+飲食のメモ。
西ホールで開催中の「フランチャイズショー」は、他の会場とは全く違う雰囲気と香りが充満していた。閉場まであと30分と迫っていた所為か、配布物をなんとか受け取ってもらおうという熱意の塊が左右にビッシリと陣取る、あたかも川崎大師参道前のような活況を呈した場内通路を突き進み、フードコーナーを目指す。バーガーキング、ペッパーフードサービス、天高く、3社が出店した一角も店じまい直前。
勇ましい売り文句が貼られた屋台で1,000円ナリの黒醤油ラーメン「富山ブラック 肉盛りそば」をいただく。空きっ腹に染み込む黒スープ、熱々の麺、トロトロのチャーシュー。この店の味は、東京では武蔵小山でしか味わえない。
美味しゅうございました。ごちそうさまでした。

天高く「麺家いろは」
www.menya-iroha.com/