「houzz」日本語サイト 本日オープン

住宅デザイン・設計のためのサービスを無料で提供する、米国生まれのプラットフォーム「houzz」。待望の日本語サイト<www.houzz.jp>が本日0時にオープン、都内でお披露目の記者発表が行なわれた。
4月9日に代々木VILLAGE code kurkkuで行なわれた記者発表の様子(Houzz提供プレス用画像)

2009年に僅か20組程度のユーザーでスタートしたという「houzz(ハウズ)」は、僅か5-6年で急成長を遂げた。ユニークユーザー数は現在、月間2,500万人以上、ユーザーが閲覧できるインテリアや住宅の画像データは600万枚以上、画像提供元である登録ユーザー数は70万人以上という、文字通り世界最大のプラットフォームである。2014年にイギリス、オーストラリア、ドイツ、フランスでローカルサービスを展開、今年に入ってロシア、そしてアジアでは初めて日本に情報発信拠点を構える。

会見には、Houzz Inc.CEO兼共同創業者であるアディ・タタルコ氏(上の画、中央の人物)と、同社の日本法人であるHouzz Japan株式会社の代表取締役を務める加藤愛子氏(上の画、右端の登壇者)が出席。「houzz」の概要、15時間前にオープンしたばかりの日本語サイト画面を元に、具体的な活用例が説明された。

「houzz」が誕生するきっかけは、houzzの現社長であるアロン・コーエン氏と、アディ・タタルコ氏(下の画)の夫妻が、カリフォルニアに築51年の中古住宅を購入した2006年に遡る。自分達が思い描く理想の家に改装しようとしたが、夫妻が必要とする情報がネットでは得られなかった。頼みの口コミも必ずしも適切な情報ではなく。それならばと、IT関係の知人や、夫妻の子供たちが当時通っていた学校の親たちを中心に、より多くの人々とさまざまな情報を共有でき、共有の悩みを解消できる「houzz」を2009年に立ち上げた。今日では前述の通り、広大かつ強固なネットワークを構築しているが、当時の夫妻にとってはあくまで"サイドプロジェクト"だったという。
Houzz Inc.CEO兼共同創業者のアディ・タタルコ氏(Houzz提供プレス用画像)

建築家、デザイナー、施工技術者、インテリアコーディネーター、編集者など、およそ60の領域で住宅リモデルに関係するプロフェッショナル70万人が登録しているという「houzz」。彼等がアップデートした住宅作品のインテリアやエクステリアの画像は誰でも無料で閲覧できる。その際、アカウントがあるユーザーであれば、気に入った画像を自分の「ideabook(アイデアブック)」としてストックできる。例えば、自宅の改装を計画中である場合、施主、設計者、施工会社など多数の登録ユーザー間で「こんなキッチンはどうだ」というやりとりやイメージ共有がよりスムーズに行なえるというわけだ。画像登録者のウェブサイトにもリンクが張られ、閲覧者が直接メールで質問や相談を送ることもできる。「こんなソファを探している」といった悩みも「houzz」のコミュニティに打ち明ければ、他の登録ユーザーからのアドバイスが期待できる。

「houzz」とは、画像をシェアできるfacebookにさまざまな機能が付加された、住宅に特化した情報サイト、と例えればよいだろうか。情報のシェアだけでなく、プロの編集チームによる記事やガイドなどの読み物コンテンツも用意されている(houzz全体の登録数は18,000以上)。今後は日本独自の記事を配信していく予定だ。

タタルコCEOは、日本での課題として、空家率の高さ、つまりは新築信仰の高さ、中古市場の情報や知識がまだまだ一般的ではないことを挙げたが、逆に、だからこそ大きな市場の可能性を感じている。日本の建築、庭園、茶室に対する関心もグローバルで高く、日本発の情報をhouzz.jpが独自に発信できるようになったことは、双方にとって有益であると述べた。

本日23時オンエアのテレビ東京「ワールドビジネスサテライト(WBS)」のトップニュースで、早速にhouzz.jpオープンが「リノベ業界に"黒船"襲来」として報じられる。番組では、「houzz」が有する(註.食べログのような)登録業者に対するレビュー機能が、従来になかった市場の透明性を生み出し、日本のリフォーム業界にはびこる悪徳業者への対策として有効ではないかと指摘(註.タタルコCEOも記者発表の席上、「登録者のクオリティをどのように保つのか?」という某新聞社記者の質問に対し、「登録者の精査やレビューチェックというかたちで責任は果たすが、コミュニティがプロユーザーの評価を決めてくれるだろう」との見解を述べている)。番組では、グローバル展開の実例として、2年前に米国houzzに登録した京都の設計事務所を紹介。登録後に香港から実際に設計依頼があったという。
番組ニュース動画(アーカイブ保存期間のみリンク有効)
www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/newsl/post_87910/

海外のhouzzでは、画面上で"グリーンタグ"が付いたアイテムを購入できる機能もあるが、マーケットプレイスの日本導入は未定。houzzの基本である"民主的な対話の場"の提供に努め、先ずは確かなコミュニティの構築に注力する。記者発表会場の一部の椅子に、飾りとしての"グリーンタグ"がありはしたが(下の画)
日本では本日深夜の時点で1,173人が登録済み。記者発表後に開催されたオープニングレセプションも終了予定時刻を過ぎても盛況であった。下の画はレセプションの様子。
houzzのコーポレートカラーである「グリーン」を身につけてきてください、と案内状にあったが、フードメニューにもグリーンが配されていた。
アルコールメニューのひとつ、メロンのリキュール。鏡割りの後に振る舞われた日本酒の枡には、houzzのロゴ(h=エイチの文字を3次元表現したもの)の刻印も。
レセプションでは改めてタタルコCEOをはじめ関係者が挨拶。今後のビジョンなどを語った。

「houzz」日本語公式サイト
www.houzz.jp




+飲食のメモ。
記者発表とレセプションの合間、代々木VILLAGEのカフェ「code kurkku cafe」で休憩。
こちらのカフェでは、向かいにあるベーカリー「pour-kur」で購入したパンをイートインとして持ち込める。注文時にレシートを提示すれば、ドリンクも50円割り引きに。
「鮭と蕪のチャパタサンド」(消費税込¥380)+この時期限定の「桜のベーグル」(消費税込¥210)ほか、袋の中には、あれば絶対買う「フルートレザン」、フォカッチャなどがぎっしり詰まっております。
カフェでオーダーしたドリンクは「カフェラテ」、Mサイズはタップリなみなみ(買ったパンがやたら小さく見えるが、カップがデカいのです)。定価は¥480(割引で¥430)ナリ。
とっても美味しゅうございました。ごちそうさまでした。

代々木VILLAGE「pour-kur(プルクル)
www.yoyogi-village.jp/food/food_pour.php

同「code kurkku cafe」
www.yoyogi-village.jp/food/food_cafe.php