「いすゞデザイン こころみ展」@アクシス シンポジア

六本木のアクシスビルB1Fにあるシンポジアで開催された展覧会「いすゞデザイン こころみ展」を見る。主催はいすゞ自動車デザインセンター、会期は5月22日から24日までの3日間のみ。

初日に4FのAXISギャラリーで開催された、出展者によるトークセッションによれば、いすゞ自動車(株)のデザイン部門では、分業化が進みすぎたがゆえの弊害がみられたという。そこで、同センター部長の丸山公顧氏が発起人となり、メンバー間のコミュニケーション向上、個々のスキルアップを狙い、手を動かしながら、公務と並行に"楽しむ"ことを前提とした「ワーキンググループ活動」を2009年に立ち上げた。本展はその最新の成果発表。車のデザインのプロたちがつくった「ペダルカー」6台が展示された(左の画はXチームによる「HOT ROD」)

「ワーキンググループ活動」のテーマは1年ごとに設定され、構成メンバーも再編成するようだ。
Aチームのペダルカー「ALEGANT & MADNESS」。
Bチーム「MESSENGER」。
Cチーム「DEVIL FISH」。
Dチーム「MONSTER」。
会場では試乗も触れることも不可だったが、もちろん乗って動かすことができる。展示に先立ち、社内でペダルカーレースも開催された。
Eチームが製作したのは、いすゞ自動車社員ならば「その姿をみて涙腺の緩まない者は居ない」的な対象であるらしい、国内に現存する実走可能な国産最古のバス「スミダM型」をモチーフとしたペダルカー、その名もズバリ「SUMIDA M TYPE BUS」(参考:2011年東京モーターショー出展関連ページ
他のA〜Dチームが10〜14名というメンバー編成に対し、Eチームはクレジットされたメンバー名が31名と大所帯。
トークセッションでもモデラー担当者らによって語られたが、同社のこだわりのひとつが「リフレクション」(専門的内容につき、詳細は下記・展示パネルテキスト参照)
会場には、6台各作品もリフレクションを検討したモデルも並ぶ。
本展でこのリフレクションの効果をあげてわかりやすくみせるために、光のあて方にひと工夫こらされている[展示協力:(株)遠藤照明]
天井に目を転じて見ると、幾つかのスポット照明の先端部分が長い。黒い紙で円筒をつくって取り付けたもので、ポイントを絞ったライティングとなっている。これがあるとないとでは「大違い。例えばDチームのペダルカーの後輪のフェンダーと呼ばれる部分などは、やたら"のっぺり"あるいは"べたーっ"と見えてしまう」との関係者談。
その解説を踏まえて改めて、社内ペダルカーレースで「トップオブスピード」を獲得したというAチームの作品と、会場入口付近に停まったXチームの作品を見る(下の画/写真提供:遠藤照明)
ちなみにXチームの「HOT ROD」は、デザインセンター部長の丸山公顧氏を含む6名が、今回のワーキンググループ活動のキックオフから1年遅れで参入してつくりあげたもの。

会場では、光が強調されている部分と、スポット照明の位置と角度を見比べるのも面白い。今後はほかの展示でも留意してみよう。

いすゞデザイン こころみ展
会期:2015年5月22日(金)〜24日(日)11-19時(初日のみ16-18時)、入場無料。