「MARUNI COLLECTION 2015 東京展」

東日本橋にあるマルニ木工東京ショールームで今日と明日開催される新商品展示会「MARUNI COLLECTION 2015 東京展(MARUNI COLLECTION 2015 JASPER MORRISON, NAOTO FUKASAWA)」へ。
英語表記タイトルにもあるように、深澤直人氏とジャスパー・モリソン氏がそれぞれデザインした、MARUNI COLLECTION の新作が披露された(以下、一部で敬称略)

通りからもよく見える大きなダイニングテーブルが話題の新作。深澤直人が2013年にデザインした「MALTA」に加わったもので、従来のW幅(1,800、2,000、2,200、2,400mm)を超えた3,200mm、奥行き1,150mmという大きさ(1,800-3,200までの間は100mmピッチで、奥行きは850-1,150の間は50mmピッチでサイズオーダーが可能)。「HIROSHIMA」のアームチェアを3脚並べてなお余裕がある。
2008年にリリースされたMARUNI COLLECTIONでは今回初めて、脚にウッド以外の素材=黒いスチールを採用したのも大きな特徴。柾目材を10本並べた天板だけで120kgあり、その重さを考えれば極めて細い4本のスチールレッグが、天板をストイックに支えている。接ぎ巾はあえて均一にせず、不揃いの風合を楽しむデザインに。
撮影:川部米応

黒いスチールは支脚の役目だけでなく、人々が食事を楽しむシーンも想定してのこと。座わった人々の脚にテーブルの脚が溶け込んで、彩り豊かなテーブルが宙に浮かんでいるように見える、そんなイメージ。
このサイズのダイニングテーブルを自社工場で製造・販売している国内メーカーは、現時点ではマルニ木工だけ。作ろうにも長さ3m20という長さの木材を、マルニが遵守しているクオリティを確保するのが難しく、尺貫法が今でも用いられている木材業界の影響で、加工機械も四八板(1220×2430)に限られるなどの制約があった。それに日本の住宅やオフィス空間でも、このサイズが求められることは少ない。だが、海外のバイヤーや現場からの要望は以前から根強かった(文化と体躯の違いというべきか、同社営業氏いわく「2,400なんて話にならない」らしい)。"100年経っても世界の定番して認められる木工家具を作り続ける"ことを掲げるマルニ木工として、それらの声に応え、今年で出展7回めとなる「ミラノサローネ国際家具見本市2015」での披露となった(会場の様子:マルニ木工公式サイト〜TOPICS
こちらはW2,400サイズの「MALTA」。ミラノでは発表されなかったウォルナットタイプ。天板はオークが2種類、ウォルナットで3種類を用意。昭和4年(1929)に建てられた古いビルをリノベーションした、広くて天井高のあるショールームの空間と見事にマッチしている。
初日の夜に開催されたレセプションの冒頭、深澤氏は「触ってとても気持ちの良い、思わず触ってみたくなるテーブル」とコメントしていた。この大テーブルを一切の違和感なくすんなり・アッサリとみせてしまうところがすごい(氏が講演などでよく云われる、素材やモノが自ずから求めているカタチに収斂させてデザインしていると思う)

下の画は、深澤氏がデザインし、2014年のミラノで発表されたアームソファとオットマン。
撮影:川部米応

ネイビーのファブリックはデンマークのテキスタイルブランド Kvadrat のもの。MARUNI COLLECTION のチェアやソファでも多色展開する。例えば下の画、2011年から同コレクションに参画しているジャスパー・モリソン氏が2011年に発表した「Lightwood」スツールの張座などに。
撮影:川部米応

同じくジャスパー・モリソンがデザインしたソファ「Bruno」での新ファブリック展開。
「Bruno」の2人掛けと3人掛け仕様も用意された会場では、来場者がかわりばんこに座り心地を味わう。

下の画のベンチも今春のミラノで発表されたジャスパー・モリソンの新作。2013年に発表されたベンチ「Botan」の背無し「Basic」タイプ。
撮影:川部米応

背もたれのないカジュアルな仕様。アウトドアだけでなく、美術館やホールのロビーなど室内で利用されることも想定している(レセプションにて、ジャスパー・モリソン談)

5/28-29「MARUNI COLLECTION 2015 東京展」開催のお知らせ
www.maruni.com/jp/topics/post-5984.html





+飲食のメモ。
マルニ木工のショールームから北西へ5-6分ほど歩いたところにある「フクモリ 馬喰町店」。この5月で6周年を迎えたとのこと。
公式サイトでも謳っている通り、"一人でも立ち寄れるカフェ兼定食屋"さん。山形県の食材を使ったメニューで知られる。18時は酒宴向けの夜メニューが中心だが、スイーツもオーダーできた。

山形といえばコレ。「だだ茶豆のロールケーキ」とドリンクのセットで消費税込み980円ナリ。紅茶はポットでサーブされ、ゆうにカップ2杯分。ロールケーキは"山形を代表する人気オーガニックレストラン「アル・ケッチァーノ」からの"お取り寄せ。
おいしゅうございました。ごちそうさまでした。

フクモリ
http://fuku-mori.jp/