超薄板強化ガラスによるインスタレーション「構造の透過性から生み出される浸透空間」@AGC studio

ギャラリーハシゴ鑑賞@銀座→京橋2丁目でラスト。AGC studio 1階エントランス ギャラリー今月末まで開催されている、東京建築構成材デザイン工学(AGC旭硝子)寄付講座 インスタレーション「構造の透過性から生み出される浸透空間」を見る。
同社のガラス製品である、薄さ1.3mmという超薄板強化ガラス「Leoflex®」をジョイントした繊細な構造物が展示されている(以下、テキストは会場展示パネルより)

東京大学建築構成材デザイン工学(AGC旭硝子)寄付講座とは、旭硝子(株)が新しいガラスの領域を創造するために、東京大学大学院工学系研究科に設置した研究室。
本展の展示は、東京大学佐藤淳研究室+小渕祐介研究室、慶應義塾大学池田靖史研究室+松川昌平研究室の学生20名が参加して行なわれたセミナーおよびワークショップの成果を披露するもの。2015年冬学期に米国スタンフォード大学で構築されたガラスのインスタレーションで得られた内容も受け継いでいる。
検討された形態のバリエーションの模型:Tower(塔状)、Archi(橋状)、Cantilever(片持)、Poliygon(多角形)、Stack(積層)など。これらをひとつにまとめてつくり上げたのが今回の作品。
使用された超薄板強化ガラス「Leoflex®」は約120枚(本展では全てのガラスに飛散防止フィルムが貼られている)、サイズは600mm角と600×400mm。また、約半数がフッ化水素による化学エッチングが施された半透明仕様。
ちなみに、作品後方に"透けて"見えている、同館1-2階を結ぶガラスのらせん階段「STEP IN THE AIR」は、佐藤淳氏が構造設計を担当したもので、同製品を手摺りに採用している(参考:2013年12月開催「STEPS IN THE AIR」展 連動フォーラムレポート
構築物の3カ所に、大人一人が身をよじれば内部に入れるくらいの開口が設けられ、ドーム状になっている(内部への立入は禁止)
接合材はアルミ製板ジョイント、ボルト・ナット、プラスティックワッシャー。ガラスの"曲げ"の限界値やボルト・ナットの締め具合などをスタディーにて確認済み。
作業所用時間=構造強度検討2時間+小パネルによるスタディー4時間+組み立て20時間。3-4人が1チームとなり、1枚取り付けるのに20分ほどかかっている。
AGC studio は以前は水曜休みだったが、2012年から月曜と日曜祝日が休みとなっている。30日(火)が展示最終日。開館は10-18時、入場無料。

AGC studio
www.agcstudio.jp/