「計算するオリガミ 舘 知宏 かたちの探察」@竹尾見本帖 at ITOYA

文房具専門店の伊東屋の銀座本店が、2年と数月に及んだビルの建て替え工事を終え、先月6月16日に「G.ITOYA」としてグランドオープン。

地下1階にオープンした展示ホールや、11階の人工農場+12Fのカフェなどいろいろと話題。7階には(株)竹尾と伊東屋による「竹尾見本帖 at ITOYA」もできた。併設のイベントスペースでは今後、"出逢ったことのない、今まで知らなかった紙の世界"を切り口に、紙のクリエイティビティを喚起させるような企画展を開催していく予定とのこと。
オープニング展は「計算するオリガミ 舘 知宏 かたちの探察」。

会場に展示されている立体作品は、全て綿密な計算に基づく平面展開図を、1カ所も切ることなく、折ってつくられたもの。
出展者の舘 知宏(たち ともひろ)氏の肩書きは、東京大学大学院総合文化研究科の助教(所属先:広域システム科学系。以下の作品・フリーフォーム・オリガミとは、JSTさきがけの支援を受け、「物理ベースデザインのためのインタラクティブ情報環境の構築」をテーマに、舘氏が研究開発したもので、舘氏のサイトに作品画像ソフトウェアも公開されている(会場 作品キャプションより)
舘 知宏「フリーフォーム・オリガミ(膨張)」(2015)不切凸多角形一枚折り

「フリーフォーム・オリガミ(変形)」(2015)不切長方形一枚折り
「フリーフォーム・オリガミ(成長)」(2015)不切多角形一枚折り
「フリーフォーム・オリガミ(隆起)」(2015)不切多角形一枚折り

1枚の平面=紙からホントにこんなにもでこぼこした複雑な立体が折れるのか?! と複雑怪奇な気になるが、ホントらしい。会場では、実際に手で折られ、徐々にかたちを成していく過程を早回し映像で観ることができる(にしても、スゴイ)。
「オリガミ・スタンフォード・バニー」(2008)不切凸多角形一枚折りによる兎の立体。
計算折紙の究極のかたちとして、"任意の立体形状を一枚の紙で折る"という問題を、オリガマイザ(解説は下の画を参照)を用いてクリアした作品。
G.Itoya」については各種メディアでも概要が伝えられているが、此処に無ければ他所にはないだろう的な、これまで築き上げてきた信頼感に裏打ちされた、伊東屋独自の"目利き"によって選ばれた文房具のショールーム、といった感。4万点に絞ったという商品の見やすさ、手に取りやすさを最優先したセレクトショップのような新たな構成に。




+飲食のメモ。
同館12階の [Stylo] にて軽食。全粒粉スキーとしてはホールウィートのパンケーキ(消費税別¥1200)と迷ったが、ここはしょっぱくサラダをセレクト。4-5種類あるなかから「イチジクとブルーチーズのサラダ」を食す。
大きなボゥルにこんもりと、ボリュームは2-3人前。キャラメリゼされた胡桃がアクセントになって(真似しよう)、バルサミコソースもおいしい。但し、パンなどは付かないので、コレ1皿で空腹が満たされることはナイ。消費税別で1,600円、辛口ジンジャーエールは600円。朝8時から22時まで全体にお高いのは、ザギンならではの価格設定。+床の下11階にあるFARMの設備維持費かしらんと邪推される。
最新の野菜工場のウインドウを囲っているのは、旧本店時代の窓枠。
最上階フロアだが、元から細長い敷地で窓ガラスがセットバックしているので、広角の眺望はのぞめない。このまま強気の経営路線でいくのかどうか、今後の展開が興味深い。
ごちそうさまでした。

Cafe Stylo(カフェ スティロ)
www.ito-ya.co.jp/ginza/