目黒雅叙園で開催中のイベント「和のあかり×百段階段」を見に行く(その後、ランチを挟んで目黒区美術館の「村野藤吾の建築展」に移動する)。
普段は撮影できないのだが、本イベント開催期間中に限り、自撮り棒や三脚使用NGなどのルールの範囲で撮影が可能(左の画は途中からの見下ろし)。主催者はSNS掲載や公式FBへの投稿も推奨しており、「いいね!」が10個以上付けば2回めの入場が無料に。
普段は撮影できないのだが、本イベント開催期間中に限り、自撮り棒や三脚使用NGなどのルールの範囲で撮影が可能(左の画は途中からの見下ろし)。主催者はSNS掲載や公式FBへの投稿も推奨しており、「いいね!」が10個以上付けば2回めの入場が無料に。
同園公式サイトの解説によれば、"百段階段"とは通称で、かつ実際の段数は99。かつての目黒雅叙園3号館として昭和10(1935)年に建てられ、現在では園内に現存する唯一の木造建築とのこと。平成21(2009)年には都の有形文化財に指定されている。
"百段階段"の右側に沿って、贅の限りを尽くした7つの宴会場(十畝の間、漁樵の間、草丘の間、静水の間、星光の間、清方の間、頂上の間)が上に向かって配置されており、それぞれ趣向を凝らした「和のあかり」が展示されている、というのが今回のイベント概要。
部屋ごとに「葛飾北斎と江戸職人のあかり」などのテーマがあるが、公式サイトの詳細ページや公式FBの方が画がキレイなので、当ブログでは省略し、フライヤーや会場解説板のテキストを元に、いかにも雅叙園な内部空間の一端をざっくりと記すに留める。
厚さ5cmのケヤキ板を踏みしめ踏みしめ、頂上を目指す。
部屋ごとに「葛飾北斎と江戸職人のあかり」などのテーマがあるが、公式サイトの詳細ページや公式FBの方が画がキレイなので、当ブログでは省略し、フライヤーや会場解説板のテキストを元に、いかにも雅叙園な内部空間の一端をざっくりと記すに留める。
厚さ5cmのケヤキ板を踏みしめ踏みしめ、頂上を目指す。
1部屋め、「十畝の間(じっぽのま)」。
天井は23面の鏡板に、荒木十畝による四季の花鳥図が描かれている。部屋の名前は、部屋の主立った特徴、あるいは手掛けた画家の名に由来する。
EV前の壁の解説板に説明があったが、7部屋の「組子障子」の仕様はそれぞれ違うとのこと。
こんな感じで濃ゆい装飾がこれでもかと続く。向かいにあった和便所の天井もハンパではない。
こんな感じで濃ゆい装飾がこれでもかと続く。向かいにあった和便所の天井もハンパではない。
昔の花嫁衣装は裾が長かったので、要を足す際に邪魔ならないよう、とても広いのだそう。
2部屋め、「漁樵の間」の出は入口脇の壁に取り付けられたナゾの物体。
装飾は全て純金箔、純金泥、純金砂子という「漁樵の間(ぎょしょうのま)」。格天井および欄間の装飾は立体的で、前者は菊池華秋原図による四季草花図、後者は尾竹竹坡(おたけちく)原図の五節句が彫られている。その下、天井高3.5mという部屋の奥に、日本を代表する「祭りのあかり」のひとつとして、流派をこえて4名のねぶた師がこの場で立ち上げたという青森ねぶたが鎮座。
2本たてられた床柱の材は共に檜で、中国の故事"漁樵問答"の一場面が彫られている。
百段階段から「漁樵の間」に続く廊下もあちらこちらできんきらきん。入り隅の仕上げも、名だたる寺社で見たことがないようなゴツゴツした装飾がまわっていた。
まだ30段めあたり、残り約70段、部屋は5つ。
江戸風鈴で飾られた「草丘の間(そうきゅうのま)」。「夏のあかり」と題して、ライトアップされたアートの竹林をバックに、おびただしい数の風鈴の音にシャッター音が混じる会場。
磯辺草丘による四季草花絵や松原図を観賞する、までは今回は至らない。
「草丘の間」を出た正面。段差を降りて、左側が百段階段。
各部屋の出入口上に取り付けられた照明器具。透かしの柄は数種類あった。そして百段階段の天井にも絵が。
窓の外では蝉が鳴いている。館内は冷房がきいており、来場者は一時の涼を求めて、という感じ。日曜の10-11時台でこんなに人が多いとは思わなかったが。
百段階段の途中、謎の開口部と段差。かつては出入りできたのだろうか。
4つめの部屋、「清水の間(せいすいのま)」。橋本清水が次の間の天井及び欄間を描いていることに由来する。
ほおづき、紅葉など1つ1つの下で光るLED「草木のあかり」。制作は造形作家の川村忠晴。
百段階段に並行する廊下の突き当たりが「星光の間(せいこうのま)」。板倉星光の四季草花図よりも、今回の主役は中里絵魯洲の作品が醸し出す「闇夜に浮かぶ月のあかり」。三代目市川猿之助丈によるスーパー歌舞伎の美術小道具などを担当している美術家(中里絵魯洲 公式サイト)。
小山大月画による風景画が描かれた1室に置かれたのが中里作品。
屏風の中央部分と、その手前の水晶玉に、月を模した光が浮かびあがり、共に満ち欠けを繰り返す。
階段途中からの見上げ。
美人画の大家・鏑木清方によってつくられた茶室風の部屋「清方の間」で6つめ。
アプローチ(廊下)の右側に続く障子のデザインに目を奪われる。
天井も大迫力なのだが、その下に並べられた美濃和紙アートの数々がまた凝っている。
展示テーマは「和紙のあかり」。上の画のこんもりした作品は桜の花びらがモチーフになっていた。
さて、ついに99段に到達。右側が文字通り「頂上の間」。
山口県柳井市の金魚ちょうちん、山口七夕ちょうちんによる「提灯のあかり」の演出。
実際の祭り会場では蝋燭が中に灯されるが、本展ではLEDを使用。
格天井に描かれた絵は松岡映丘門下による。
目黒雅叙園にはかつて1-7号館まであったようだ。各館執筆陣リストに記された画家の多さから、往時の隆盛が偲ばれる。3号館が建ったのは昭和10年、中国大陸でいわゆる盧溝橋事件が発生するのはこの2年後のことである。
「和のあかり×百段階段」は8月9日まで、会期中無休。オープンは10-18時(金土曜のみ19時まで)。入場は有料(大人1,200円、学生600円)。要予約・有料の関連イベントも多数あり、食事+ガイドツアーは会期終了後も通常開催されているようだ。
目黒雅叙園「和のあかり×百段階段」
www.megurogajoen.co.jp/event/wanoakari/
目黒雅叙園「和のあかり×百段階段」
www.megurogajoen.co.jp/event/wanoakari/
+飲食のメモ。
地元民に「この店のパフェはすごいですよ」と証拠の写メを見せてもらって胸トキメいた、[果実園 リーベル]でランチ。11:20に入店するもあいにく満席で、店内で数分待つ。あれよという間に後続客で待ち合いの椅子が埋まり、食べ終わって辞す頃には、店の外にも列が。聞いた通りの人気の高さ。
基本はフルーツパーラーなので、盛り盛りのパフェやズゴットケーキは美しくも超ド迫力。ランチとディナータイムにはグラタンやパスタ、肉・魚料理を提供し、"フルーツだけじゃなく、料理にも自信があります"と高らかにうたっている。
地元民に「この店のパフェはすごいですよ」と証拠の写メを見せてもらって胸トキメいた、[果実園 リーベル]でランチ。11:20に入店するもあいにく満席で、店内で数分待つ。あれよという間に後続客で待ち合いの椅子が埋まり、食べ終わって辞す頃には、店の外にも列が。聞いた通りの人気の高さ。
基本はフルーツパーラーなので、盛り盛りのパフェやズゴットケーキは美しくも超ド迫力。ランチとディナータイムにはグラタンやパスタ、肉・魚料理を提供し、"フルーツだけじゃなく、料理にも自信があります"と高らかにうたっている。
ローストビーフとサラダのまわりを旬の果物(パイン、ルビーグレープフルーツ、白桃、マンゴー、スイカ、葡萄、メロン)が囲む「フルーツランチ」、パンとドリンクがセットで消費税込み1,165円ナリ。他のランチセットのフルーツはスイカとメロンだったので、こちらの方が種類豊富。たまにはこういう高級フルーツを食べないとイカンよなぁ、夏場は特に、としみじみ実感。とっても美味しゅうございました。ごちそうさまでした。
7時30分から11時までやっているモーニングもお邪魔してみたい。
7時30分から11時までやっているモーニングもお邪魔してみたい。