「手塚貴晴+手塚由比の建築106作展」@ セラトレーディング 東京ショールーム

乃木坂のセラトレーディング 東京ショールーム(ギャラ間のビルの地下1階)にて「手塚貴晴+手塚由比の建築106作展」を見学。今夏にTOTO出版から発行された作品集『手塚貴晴+手塚由比 建築カタログ3』の刊行記念展で、地下のショールームの壁は書籍の見開きページで埋め尽くされている。

地下と1階に分かれている会場には、最新刊に収録されている作品の模型展示も(29日の時点では2フロアあわせて以下の6点)
手前:2013《茅ヶ崎シオン・キリスト教会/聖鳩幼稚園》S=1/100模型
上の画奥および下:2015《ひろばの角のバルコニーハウス》S=1/50模型
記憶違いかもしれないが、手塚建築研究所のサイトなどに掲出されている模型写真は目にしたことがあるが、このように複数の模型が展示されるの機会は珍しいのではなかろうか。
2014《寄棟の家》模型と最新刊。
最新刊の数字の色は緑で、2は黄色=お子さんふたりのキーカラーとリンクしている。
29日の夜には、「よもやま話」と題して手塚夫妻によるレクチャーが行なわれた。同書1,2,3=合計106作品、時系列で並んだ159枚のスライドを早送りしながら全て表示、要所で止めて作品解説。記念すべき第一作の《副島病院》から作品集3巻末に収録されているマニラで進行中の最新PJまで、あっという間に90分が過ぎる。
最新刊にも収録されている、2013年春に開業した《チャイルド・ケモ・ハウス》を手掛けたあたりから、手塚両氏は「建築には社会を変える力がある」という手応えを感じるようになったという(2014年に移転オープンした沖縄の《空の森クリニック》に関連した「空の森シンポジウム」でも同様の発言あり)。手塚建築研究所の名を一気に高めた《ふじようちえん》(2007)が内外の賞を多数受賞、それらの実績が行政の幼稚園基準の見直しに影響を与えたことなども実感の背景としてあるようだ。
その一方で、武蔵工業大学時代から大学で建築を教授している手塚貴晴氏は「最近の学生はモノをつくらなくなった。建てることが罪悪であるかのように思っている」と指摘し、断じてそうではないのだという思いを、『手塚貴晴+手塚由比 建築カタログ3』の巻頭に寄せた「私は建築を信じている」に自身いわく「火を噴く文章」で吐露している。

「建築家になるということは、人の人生をつくり、社会を編むということである。」ーー作品集『手塚貴晴+手塚由比 建築カタログ3』手塚貴晴氏寄稿の序文より一部を引用
2014《軒の教会 東八幡キリスト教会》S=1/50模型
2012《山元町ふじ幼稚園》S=1/50模型
作品概要の参考:日本ユニセフ協会 緊急支援情報ニュース(2012.8.24)
2013《Ring Around a Tree》模型
「手塚貴晴+手塚由比の建築106作展」会期は12月22日まで(但し、10月11日-19日はショールーム改装工事につきクローズ、10月20日に再オープン)。入場無料。休館日および営業時間はセラトレーディング公式サイト参照。

セラトレーディング 東京ショールーム
www.cera.co.jp/showroom/




+飲食のメモ。
会場近くの蕎麦屋「乃木坂長寿庵」にて夕食。
「鴨せいろ」は消費税込みで¥1,100ナリ。

そば湯をお願いしたら、湯桶ではなく湯呑みで出てきました。コレ、良い。飲むのに適量 & 蕎麦と一緒にお盆の端に付いてきた小匙で濃度を調整できるのでありがたい。

おいしゅうございました。ごちそうさまでした。

乃木坂長寿庵
www.nogizaka-chohjuan.com/