アルフレックス × ミロコマチコ「たいようのねっこ」展

恵比寿にある[アレフレックスショップ東京]にて、アルフレックス × ミロコマチコ「たいようのねっこ」展が10月22日から始まり、11月3日まで開催されている。
昨年はテキスタイルデザイナーの鈴木マサル氏を迎えての「MARENCO×鈴木マサル」、今年は画家で絵本作家のミロコマチコ氏とのコラボレーションイベント。

ミロコマチコ氏は1981年大阪生まれの画家。絵本作家としてのデビュー作『オオカミがとぶひ(イーストプレス,2012)で第18回日本絵本賞大賞を受賞。2年に一度開催される国際児童書コンクール「ブラティスラヴァ世界絵本原画ビエンナーレ(BIB:Biennial of Illustrations Bratislava)」では、『オレときいろ』(WAVE出版,2014)が、準グランプリにあたる金のりんご賞を受賞したと今年9月に発表されたばかり。また、2013年にはTBS「情熱大陸」にも登場している(ミロコマチコ 公式サイト www.mirocomachiko.com/

今回のコラボイベントでは、アルフレックスの家具をキャンバスに見立てて制作された作品や新旧の作品が、家具が置かれた店内随所に設置され、ミロコマチコ・ワールドが立体的・空間的に展開されている。
最新パーソナルソファにミロコマチコ氏がアクリル絵の具で仕上げたオンリーワン仕様。
上の画、左:生地張り〈MONICA(モニカ)〉、右:革張り〈GIULIO(ジュリオ)。〈MONICA〉の販売価格は60万円+消費税。
「革や布が襞(ひだ)になっていたり、縫い目があったり、絵の具がのりにくかったり。そんなところが、思い通りに描けなくて面白い。そしてソファの裏側は馬の背中、というふうに絵を反対側から見たように描けるのも魅力的でした。」(イベント「たいようのねっこ」にむけて、ミロコマチコ氏へのインタビューより)
店内に入ってすぐ目の前には、キャンバスいっぱいに画かれたしろくまの作品。フィンランドを旅した際に現地で着想を得て、本企画展のために制作された。
昨夏に《横須賀美術館》で開催されたグループ企画展「こどもと美術を楽しみたい! キラキラ、ざわざわ、ハラハラ展」において、公開制作された作品「ヘラジカの森」は、縦2.7m×横12.6mもの大作。北欧の森をイメージして、天井からもミロコ作品「とぶもり」があわせて吊り下げられている。
奥の作品:ミロコマチコ「ホロホロチョウ」
この"でっかいくじら"こと「ナガスクジラ」は描かれた当時、約1か月の間、屋外で展示され、雨風を浴びて「たくましくなった」とのこと。
暮らしの中にアートがあると、華と潤いがあって素敵だなあと素直に思える今回の空間展示。非売品を除き、会期中は店内のミロコマチコ作品を購入できる。
今年9月に発売されたばかりの絵本『つちたち(学研教育出版)の原画も特別展示されている。
今回のコラボイベント「たいようのねっこ」では、作品が店内に飾られた初日で会場がFIXするのではなく、会期中にも作家が店内の仮設アトリエで作品を書き続け、徐々に増えていく。22日の晩の夕方の時点では、アトリエの壁には未だ真っ白な状態のキャンバスが幾つも掛けられていたが、30日の晩にはミロコ作品で埋め尽くされていた。
上の画・中央:会期中2回のライブペイント・セッションのうち、オープニングを飾る22日の夜18時から約1時間で描き上げられた「おはよう、たいよう」。このほか、プレイベントとして、作家と子どもたちとのワークショップが開催された。アルフレックスで小さな子どもたちを対象としたイベントが開催されたのは今回が初。
会期初日の22日には、今回のコラボイベントに企画協力した noie. cc by newton の代表者の作品解説付きプレスツアーも開催された。ノイエが経営する額縁・額装店 newton が、顧客として通っていたアルフレックス代表取締役社長 保科 卓氏と、作家として額縁をオーダーしていたミロコマチコ氏との出逢いの場となり、今回のコラボレーションが実現した。

アルフレックス × ミロコマチコ「たいようのねっこ」展は10月22日から11月3日まで(定休日:10月28日)。営業時間は11-19時。入場無料、事前予約も不要。

アルフレックス ジャパン
www.arflex.co.jp/




+飲食のメモ。
2回めのライブペイント&セッションで「おやすみ、たいよう」(左の画、画面奥の作品)が描き上げられた3日後の30日の晩、会場の完成を祝うパーティ「ねっこたちの夜」が開催された。

ミロコマチコ作品に囲まれながら、いただいた料理とドリンクが、その美味しさもさることながら、「こんなの見たことない」というくらいにビジュアルも素晴らしくて感動した。

作家の世界観を見事に表現したメニューの数々は、山フーズの小桧山聡子氏と作家が共に考えて用意したもの。
とっても美味しゅうございました。ごちそうさまでした。
パーティでは会期中に開催されたライブペイントで作家とセッションしたミュージシャンも再び登場。ミロコマチコ氏も自ら楽器を手にし、子どもたちの「アンコール!」に何度も応えていた。

こうして「ねっこたちの夜」は、楽しく賑やかに、いつまでも続いていったのでした。おしまい。