良品計画が提案する「MUJI HUT」コンセプトモデル 屋外展示

東京ミッドタウンで開催中の「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2015」もいよいよ会期終盤。
東京ミッドタウン・ガーデンに、無印良品ブランドでお馴染みの(株)良品計画が新たに提案するプロジェクト「MUJI HUT」のお披露目として、深澤直人、ジャスパー・モリソン、コンスタンチン・グルチッチのデザイナー3氏によるそれぞれのコンセプトモデルが姿をみせた。10月30日から11月3日までの5日間、屋外展示される(詳細:2015年7月9日発表 同社ニュースリリース

会場で主催者から聞いた内容をまとめると、この「MUJI HUT」は一連の「無印良品の家」とはコンセプトを異にするもので、"B to B"の需要に応じて開発された短期滞在型株式会社MUJI HOUSE は本展の設計・建設協力会社としてクレジットされている)
"ミニマムでありながら豊かな時間を過ごすための小屋"(前述・同社リリースより)。発売開始は来年度中が目標とのこと。
以下は「MUJI HUT」特設サイト記載のテキストより。

一人でこもる。読書を楽しむ。妄想にふける。雨音を聞く。
美味しい空気を吸う。家族と友人とこもる。
暖炉を囲む。自然を楽しむ。普段できない会話を楽しむ。


都会の喧騒から抜け出し、居心地の良い空間を体感してください。

ジャスパー・モリソン(Jasper Morrison)による「コルクの小屋」
炭化コルクが下見張りされた外装。海外ではコルクは断熱材として一般的に使われているとのこと。
「コルクの小屋」は外周をぐるりと濡れ縁がまわり、掃き出し窓から出入りする。
琉球畳が敷かれていない一角には小さな薪ストーブ。空間のイメージとして、ジャスパー・モリソンがデザインしたイージーチェア(NIKARI製)や照明器具(FLOS製)も配置されている。
コンセプトモデル3タイプのうち、このJ.モリソンの「コルクの家」が最も平米数があるため、価格も比例する見込み。
モデルにおける工法は「無印良品の家」と同じSE構法(構造設計・躯体提供・施工協力:株式会社エヌ・シー・エヌ
水まわり、トイレとシャワールームは一体空間。
収納キャビネットの把手もコルク。

深澤直人「木の小屋」
黒い外装は焼き杉、切妻屋根はガルバリウム鋼板葺き。
深澤氏が所有する別荘の雰囲気にどことなく似ているらしい(関係者談)

小屋と聞くと魅力がある。別荘ほどでもない。キャンプほど単純でもない。

小さな小屋があればいつでも自然の中に潜り込める感じがする。
最小限のもので小さく暮らす。MUJIらしい暮らし方の提案です。

バスルームにアルネ・ヤコブセンがデザインした水栓金具が使われているところに深澤氏のこだわりを感じる。黒いシェードは無印良品の既製品。
仮に住まう小屋というコンセプトのもと、今のところはバスルームでのかけ湯は想定していない。
水まわり空間を出て、ガスレンジ付きステンレスキッチンの手前から、反対側の切妻(出入口側)の眺め。

コンスタンチン・グルチッチ(Konstantin Grcic)「アルミの小屋」

製造・設計協力者としてクレジットされているのは、アルミバンと呼ばれる特装車やコンテナなどを専門でつくっている(株)北村製作所。同社の全面協力を得て製造され、手動で上下に開閉させる扉も含め、主要な部品と構造を"小屋"に転用。

左右の壁にみられるのは、実際に荷台のボックスの中で積み荷が動かないように使われているというストッパー。
従来は横に長い荷台を、縦方向に長くした小屋。上層はロフトになっている。
下は障子、上は網戸仕様となっているが、冷凍車両の製造技術をもってすれば気密性は抜群。
前述のメーカーは通信やエネルギー分野における局舎やシェルターなども手掛けており、人が使う空間づくりに対してまったくゼロからのスタートではなかった。但し、ハコとしては極めて軽量につくられているため、本展では約1tの基礎をうって"重し"としている。
今回展示されている3タイプはあくまで「MUJI HUT」のコンセプトを提示、空間イメージを伝えるためのもので、来年以降に実際に発売される商品の細かな意匠、日本の気候や風習にあわせた仕様、そして法規のクリアなどの細かな面は今後の検討事項とのこと。

「MUJI HUT(ムジ ハット)」特設サイト
www.muji.com/jp/mujihut/




+飲食のメモ。
近くに[Cafe & Meal MUJI]があれば焼きプリンを求めて直行するところだが、今回はガレリアB1Fに入っている[DEAN & DELUCA]のカフェにて休憩。
「パンプキンメープルケーキ」(¥350+消費税)とブレンド(Sサイズ¥300+消費税)をいただく。

甘さひかえめ。おいしゅうございました。ごちそうさまでした。

DEAN & DELUCA(ディーン アンド デルーカ)
www.deandeluca.co.jp/