「祖父江慎+コズフィッシュ:ブックデザイ」後期展示始まる

千代田区立日比谷図書文化館にて開催中の特別展「祖父江慎+コズフィッシュ:ブックデザイ」を見学。膨大な出展数のため、会期途中で展示替えがあり、前期「cozf編」の展示が14日で終わり、今日から3月23日までの会期で後期展示「ish編」が始まった。
場内および館内廊下での作品展示も撮影禁止。

展覧会タイトルの「ブックデザイ」は「ン」が抜けているので思わず「ん?」となるが、それも祖父江氏ならではの"仕掛け"。
この、イッタイナンダロウ? と思わせるイカみたいなのは「サンハンちゃん」という。人間と外部世界をつなぐ三半規管からのネーミング。

場内には誰しも一度は目にしたこと、買ったことがあろう書籍、雑誌、コミックが並ぶ(前後期合わせて2,000点!)。すべて祖父江氏がブックデザインを手がけたもの。フォントの展示では、前期の「うさこず」フォントに替わり、会場の一角に設けられたブースの内側を埋め尽くすかなバンクシリーズの「ツルコズ」フォントの構成は圧巻。その解説文によれば祖父江氏は「カタカナ ノ ジタイ」に「マダ マダ モノタリナサ ヲ カンジテ イルンデス」とのこと。
展示は膨大、解説は緻密。1冊、1ページ、1行のために、印刷会社などとも一体となってこれほどの労力が費やされているのかと、制作の裏側まで惜しげもなく披露された展示に感動する。
最後の展示では、『』に続いて進行中の夏目漱石『吾輩ハ猫デアル』復刻版(岩波書店)のデザイン草案ーー登場人物ごとに台詞の書体を変えるなど様々な試みが確認できす。どんなかたちで復刻されるのか、楽しみ。
会場配布物もアツイ。何度も読み返せる展示解説書(左)と、凸版文久体のパンフレット(フォントの共同監修と冊子のアートディレクション:祖父江慎)

日比谷図書館文化館特別展「祖父江慎+コズフィッシュ:ブックデザイ」会期:2016年1月23日〜3月23日(展示替えあり)、観覧有料。前期終盤の土日は混雑のため入場制限あり。




飲食のメモ。
会場から日比谷公園を斜めに抜け、乾久美子建築設計事務所の《日比谷花壇 日比谷公園店》を見下ろすように建つ、村野藤吾設計《日本生命日比谷ビル》まで歩く。現・日生ビル1F [ CAFE A LA TIENNE ] にてランチ。
ティエンヌ風カレー:温野菜添え、ミニサラダとドリンクがセットで¥900ナリ。

ごちそうさまでした。おいしゅうございました。


難を言えば、店内は分煙。喫煙席は店の入り口側で、禁煙コーナーは店の奥の、日生ビルのエントランスロビーとはパーテーションで仕切られた隅っこにあり、ストーブ+ブランケットがあっても冬場はちと寒い。

CAFE A LA TIENNE(カフェ・ア・ラ・ティエンヌ)
http://shunju.com/tienne