京橋2丁目のAGC studio にて、商店建築社主催セミナーを聴講。フランスにガラス工房/AEB(Atelier Emmanuel Barrois)を構えるガラス職人のエマニュエル・バロワ氏を迎えてのプロユーザー向け講演会。
[スライドでレクチャーされた主な作品]
「パリ市レ・アール地区で進行中のPJ」(2015竣工予定)
設計:パトリック・ベルジェ
フランスAGC(旭硝子)と提携し、酸化メタルを吹き付けた特注ガラスで、3万平米ものガラス屋根を覆う。
「柏の葉147コモンプロジェクト」
設計:竹山聖+(株)設計組織 アモルフ設計(2011)
音楽堂や保育園などが入った複合施設の赤いグラデーションが美しいガラスウォール。竹山氏から事前に提示された「音楽」をもとに制作された作品。
「マルセイユ現代美術センター」@フランス
設計:隈研吾建築都市設計事務所(2013)
ファサードを格子状に覆う外壁ガラス1700枚の1枚1枚に、 AEBの職人が注射器に注入したエナメルの雫を落として、柄をつけた。最初からあったアイデアではなく、隈事務所との打ち合わせや試行錯誤の末に生み出された結果とのこと。
同氏のプロフィール、当日の内容については、「商店建築ブログ」の5月29日の開催予告と、開催後6月12日のレポートが詳しい。
http://www.shotenkenchiku.com/blog/other/entry-588.html
http://www.shotenkenchiku.com/blog/other/entry-588.html
最初はステンドグラス職人としてそのキャリアをスタートさせたバロア氏。欧州で1400年もの歴史を有するステンドグラスの伝統を、現代の産業技術と向き合いながら更新していくのか、それと同時に芸術性を引き出すこと。それがバロア氏の不動のポリシーであるようだ。
[スライドでレクチャーされた主な作品]
「パリ市レ・アール地区で進行中のPJ」(2015竣工予定)
設計:パトリック・ベルジェ
フランスAGC(旭硝子)と提携し、酸化メタルを吹き付けた特注ガラスで、3万平米ものガラス屋根を覆う。
「柏の葉147コモンプロジェクト」
設計:竹山聖+(株)設計組織 アモルフ設計(2011)
音楽堂や保育園などが入った複合施設の赤いグラデーションが美しいガラスウォール。竹山氏から事前に提示された「音楽」をもとに制作された作品。
「マルセイユ現代美術センター」@フランス
設計:隈研吾建築都市設計事務所(2013)
ファサードを格子状に覆う外壁ガラス1700枚の1枚1枚に、 AEBの職人が注射器に注入したエナメルの雫を落として、柄をつけた。最初からあったアイデアではなく、隈事務所との打ち合わせや試行錯誤の末に生み出された結果とのこと。
「外壁はエナメルガラス製の63cm×26cmの粒子で構成され、粒子を隙間をあけて千鳥状(チェッカーパターン)に固定することで、建築物のガラスの箱以上の開放感、透明感を建築に与えようと考えた。」(以上、隈事務所HP掲載テキストより引用)
このほか、パリのギリシャ正教会文化施設、ゲラン(Guerlain)創業160周年記念プロダクツ「"Le trouble d'Eugénie"(ウジェニーの動揺)」(関連リンク:Guerlain社がyoutubeにアップしたムービー)、オラファー.エリアソンと制作中の500平米のガラス作品など。
セミナー前半は、バロア氏が駆け足で上記プロジェクトを解説。建築とアートの折り合いをどうつけているのか、といった質問が会場から飛ぶ。以下はバロア氏回答の一部(意訳)。
「建築に条件はつきもの。だが理解を深めさえすれば、作品の自由度を拡げるものである」「作品とは、日々の繰り返しの中から残るもの」「仕事の中に偶然は存在しない」「ノウハウの積み重ねから、ある日突然、何かを見た時にひらめきが浮かび、テスト、調整、またひらめき、そんな試行錯誤が延々続く。今日は何か新しいことが発見できるかな、と思って工房へ行く。明日わかるといいな、と思いながら帰る。日々その繰り返し」「ジャコメッティ曰く『1%のインスピレーション、99%の汗』、この言葉が好き」。
通訳する日本人女性が、バロア氏との息もピッタリで、素晴らしかった。聞けば、日本とのビジネスの場に必ず同行する専属の通訳さんらしい。
後半は日本側から2氏が登壇。
日建設計の設計主幹/鈴木健悦氏は、特徴的なガラスのファサードがながら、コンセプトおよび施工方法の異なる2作品《ヤマハ銀座ビル》と最新作《読売新聞社東京本社ビル》についてレクチャー。
セミナーを共催したAGCの林真行氏は、自社製品が使われた《LV銀座並木通店》、《多摩美術大学図書館》のスライドを駆け足で披露。旬の話題として、FIFAワールドカップ(WC)会場への納品実績についても触れた。
AGCとワールドカップといえば、2006年ドイツ大会のスタジアムのひとつ、ヘルツォーク&ド・ムーロンが設計した、ミュンヘンの《アリアンツ・アリーナ》が思い出される。半透明の膜(高機能フッ素樹脂、製品名アフレックス[R])がスタジアム全体を覆い、日中は白色、夜は赤や青にが染まる外観は美しかった。
15日に開幕する2014年ブラジル大会では、レシフェのサッカースタジアム《アリーナ・ペルナンベコ》に「アフレックス[R]」が、サンパウロの《アリーナ・コレンチャンス》に高透過ガラス「Planibel Clearvision」が外装に使われているほか、2013年のコンフェデ杯に引き続き(参考:AGCニュースリリース 2013年6月13日)、WCの全スタジアムに納品された「プレイヤー ガラスルーフベンチ」は、ガラス屋根から全てがAGC製とのことなので(AGCニュースリリース 2014年4月14日)、観戦時にはそちらにも留意したい。スマホ・タブレット用に開発された化学強化特殊ガラスを建材用に転用したもので、下記製品特設サイトに拠れば、六本木ヒルズ内の特設カフェや、NHKスタジオパーク内の企画展において、レプリカを期間限定で展示される。
AGC ブラジル大会2014 同製品特設サイト
http://www.agc-group.com/glassroof/jp/
AGC 公式FB
https://ja-jp.facebook.com/agc.jpn
なお、 同じ化学強化特殊ガラス「Leoflex」は、AGC studio に2013年12月に設けられたガラスのらせん階段「STEP IN THE AIR」にも使われている(意匠設計:太田浩史、構造:佐藤淳構造設計事務所)。
同階段完成記念「第39回 「STEPS IN THE AIR」展」
http://www.agcstudio.jp/report/2013/gaiyou039.html
関連企画 デザインフォーラム~太田氏のレクチャー
http://www.agcstudio.jp/report/2013/port39re01.html
日建設計の設計主幹/鈴木健悦氏は、特徴的なガラスのファサードがながら、コンセプトおよび施工方法の異なる2作品《ヤマハ銀座ビル》と最新作《読売新聞社東京本社ビル》についてレクチャー。
セミナーを共催したAGCの林真行氏は、自社製品が使われた《LV銀座並木通店》、《多摩美術大学図書館》のスライドを駆け足で披露。旬の話題として、FIFAワールドカップ(WC)会場への納品実績についても触れた。
AGCとワールドカップといえば、2006年ドイツ大会のスタジアムのひとつ、ヘルツォーク&ド・ムーロンが設計した、ミュンヘンの《アリアンツ・アリーナ》が思い出される。半透明の膜(高機能フッ素樹脂、製品名アフレックス[R])がスタジアム全体を覆い、日中は白色、夜は赤や青にが染まる外観は美しかった。
15日に開幕する2014年ブラジル大会では、レシフェのサッカースタジアム《アリーナ・ペルナンベコ》に「アフレックス[R]」が、サンパウロの《アリーナ・コレンチャンス》に高透過ガラス「Planibel Clearvision」が外装に使われているほか、2013年のコンフェデ杯に引き続き(参考:AGCニュースリリース 2013年6月13日)、WCの全スタジアムに納品された「プレイヤー ガラスルーフベンチ」は、ガラス屋根から全てがAGC製とのことなので(AGCニュースリリース 2014年4月14日)、観戦時にはそちらにも留意したい。スマホ・タブレット用に開発された化学強化特殊ガラスを建材用に転用したもので、下記製品特設サイトに拠れば、六本木ヒルズ内の特設カフェや、NHKスタジオパーク内の企画展において、レプリカを期間限定で展示される。
AGC ブラジル大会2014 同製品特設サイト
http://www.agc-group.com/glassroof/jp/
AGC 公式FB
https://ja-jp.facebook.com/agc.jpn
なお、 同じ化学強化特殊ガラス「Leoflex」は、AGC studio に2013年12月に設けられたガラスのらせん階段「STEP IN THE AIR」にも使われている(意匠設計:太田浩史、構造:佐藤淳構造設計事務所)。
同階段完成記念「第39回 「STEPS IN THE AIR」展」
http://www.agcstudio.jp/report/2013/gaiyou039.html
関連企画 デザインフォーラム~太田氏のレクチャー
http://www.agcstudio.jp/report/2013/port39re01.html
+飲食のメモ。
ときどき無性に、家の食卓には100%出ない"アメリカ飯"(と勝手にワタシが読んでいる)が食べたくなる。八重洲地下街にある「Bubby's(バビーズ)ヤエチカ」は、朝昼晩と使い勝手が良い。
ときどき無性に、家の食卓には100%出ない"アメリカ飯"(と勝手にワタシが読んでいる)が食べたくなる。八重洲地下街にある「Bubby's(バビーズ)ヤエチカ」は、朝昼晩と使い勝手が良い。